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赤田ペン吉

Author:赤田ペン吉
バカ映画ハンター。
「バカ映画」の定義は、バカな映画と言う意味ではなく、バカ(赤ペン)が好む映画のことです。映画作品を貶める意図はありません。監督およびすべてのスタッフの皆さんにリスペクト!

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山口組三代目


前回の『新幹線大爆破』と同日に、池袋文芸坐にて鑑賞。

この映画・・・・・、凄いですよ。
日本最大の暴力団組織「山口組」を堂々、タイトルに冠した作品。
チケットさえ買ってくれれば、政党だろうが宗教団体だろうが
特殊な団体だろうが、どことでもタイアップして
その団体の長の偉人伝を作る天下の東映が、ついにやった、
もとい「やっちまったなあ!」な1本。
封切り当時、コワモテの男達が劇場に詰め掛けたであろう事は
容易に想像が付く。
監督は、仁侠映画のエース・山下耕作。
主演は世界のケン・タカクラですよ!
いろいろ奇跡を感じさせる一本だ。

ストーリーは、山口組三代目・田岡一雄が、
子供時代に親が死んで親戚に引き取られて苦労しながらも、
やがて入ったヤクザ社会で出世していく様が綴られる。
しかしどうにも違和感を感じるのが、映画のタッチが仁侠映画風というか
「いつみても波乱万丈」調の「美談」に仕上がっているところ。
健さん扮する田岡一雄は「バカ」が付くほど一本気で義理に篤いわ、
仲間の田中邦衛達とのやりとりは漫才みたいだわで、
まんま『網走番外地』の主人公みたい。
しかし、ひとたびキレると何するかわからない男で、
柔道家とケンカしてバラ手で目潰ししたり、
相撲取りと揉めていきなりドスで斬りつけたりの
バーリトゥードファイターぶりを発揮。
コミカルタッチに突然、残酷シーンが割り込むので
よけい現実的な「恐怖」を感じさせる。

親分(丹波哲郎)への「義理」を重んじるあまり、
それまで一緒にバカをやってきた兄弟分の菅原文太(『まむしの兄弟』のマンマ!)を
斬り殺すラストに至っては「本当にこれでいいの?」という疑問が浮かんだ。
まあ、田岡一雄本人の手記が原作でクレジットされてるし、
「目潰し」や「殺人」エピソードも実話らしい(怖ぇーよ!!)から
これでいいんでしょうがね。
なんというか、どうにも腑に落ちない映画だった。



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テーマ:俳優・女優 - ジャンル:映画

東映プログラムピクチャー | 23:09:51 | トラックバック(0) | コメント(0)
新幹線大爆破


池袋文芸坐にて鑑賞。
『横尾忠則 編「憂魂、高倉健」刊行記念 孤高のスタア 高倉健』
という特集の一本だった。
館内は、うちの父親ぐらいの世代のお父さん方で一杯。
この世代には健さんは今でもヒーローなのだな、と納得。
映画の合間には、前の椅子の背もたれに足を置いた、置かないの
ケンカまで行われていた。
「高倉健」は血中のアドレナリンを上昇させるらしい。


この映画は我らが大東映が、世界的なパニックブーム、オールスター超大作ブームの
流れに乗って製作した1本。
監督は『君よ憤怒の河を渉れ』、『野性の証明』の健さん主演大作から
なぜかスプラッタホラーの極北『実録私設銀座警察』や
果ては『北京原人who are you?』まで作る
オールラウンドプレイヤー・佐藤純弥。

ストーリーは『スピード』の元ネタ、とだけ書けば後はいいよね?

予告篇をみれば分かる、出るわ出るわ、オールスターの顔ぶれ。
しかし大抵のスターは1シーンの顔見せ程度。
電話交換手役の志穂美悦子や、
航空会社のカウンター係の多岐川裕美など、
気を付けていないと見逃してしまうサブリミナル出演状態。
2時間半の大半は、新幹線内での微妙にテレビの2時間ドラマチックな
顔ぶれの人々によるパニックぶりと、
新幹線管制室で大映ドラマまんまに苦悩する宇津井健と、
健さん以下、犯人グループとの駆け引きが描かれる。

新幹線の運転室には我らがソニーチバと、
キケロのジョー・小林稔侍。
そんな新幹線、絶対乗りたくないぞ!
運転席に座った演技で得意のアクションを封じられた
アクションバカ・チバは、ピクピク動く眉毛と
ダラダラ流れる汗で精一杯のアクション。
力みすぎで笑えてくる。
しかしイギリスで発売されたDVDは、「ソニーチバコレクション」
というボックスに収録されている。
世界のケン・タカクラを超えたソニーチバの抜群のネームバリューに脱帽。

出演者も多く、おまけに2時間半の大作だけあって、
途中いろいろとツッコミどころもあるこの映画だが、
犯人グループの山本圭が撃たれてから
なんだか目頭が熱くなってきて、死んだあたりでは、
いつの間にか鼻水が出るほど泣いていた。
これには我ながらビックリした。
山本圭に思い入れすぎてしまったらしい。
何度も観た映画なのに、スクリーンで観ると違うね。

その後、健さんが、死んだ仲間を想う場面で、
計画が成功したら何がしたい、と聞かれた生前の山本圭が
「革命の成功した国へ行ってみたい。
もう一度、人間への信頼を取り戻したいんだ」
と屈託なく語る場面でさらにダメ押し。
「地上の楽園」などどこにも存在しない、
という事実を誰もが知っている21世紀の今となっては、
仮に山本圭が死なないで計画が成功していたとしても、
「人間への信頼」なんか取り戻せなかっただろう、
というのは容易に想像が付く。切な過ぎる!
思わず「ウッ!」と声まで出そうになって慌てたが、直後、
同じ質問を受けた健さんが、
「・・・・うーん・・・・、ブラジルにでも行くかな」
とワンテンポずれた答えを出した頃には、
山本圭以下、全員がその場から居なくなっていて、
いつの間にか独り言になっている、
という珍場面で笑って事なきを得た。

その後の展開は、新幹線の爆発回避、
真一・治郎のチバ兄弟によるガッツポーズ、
男・高倉健の羽田での死、とドラマチックだが、
山本圭の死でガックリきてしまって
いつの間にか熟睡。
気が付けば「特別出演 丹波哲郎」と
画面一杯にテロップが出ていた…。





テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

東映プログラムピクチャー | 10:33:35 | トラックバック(0) | コメント(0)
十三人の刺客
全国の東映系の劇場で開催されていると言う
「東映時代劇まつり」へ。
本日の上映は工藤栄一監督『十三人の刺客』

若者や、小さい子連れ夫婦ばっかり来てる様な印象がある
シネコンに、ご新規の客層開拓、という、その心意気や良し。
入場料千円、というのも良心的だし。

しかし、ポップコーンのバターの香り立ち込める(誰も食ってないのに)劇場で、
モノクロで、音がバサバサいってセリフが飛びまくるフィルムを
見るのは妙な気分だ。
客層が客層だけに、途中、トイレに立つお父さん方が多い事。
それでトイレのすぐ横のスクリーンだったのかもな。

工藤監督の映画、封切では『泣きぼくろ』しか見てない。
確か『無能の人』の同時上映だったような。
山崎努を見て「あ!念仏の鉄だ!」と思った記憶しかなし。
監督に対しては、長年「必殺シリーズ」の人、
という印象しかなかった。
「光と影の美学」も、必殺は他も大抵、そうなので印象薄し。
他の人が工藤演出に倣っているせいかもしれないけど。

タイトルクレジットで助監督に「田宮武」の名前を見つけた。
後の東映動画の重鎮だ。
東映では、東映動画に入った人材も、京都撮影所で修行させる、
という話を聞いたような気がするが、厳しい修行だと思う。
そこで心折れて挫折した人材もいたんじゃなかろうか?

集団抗争時代劇のはしり、と言う事で、
東映伝統の絢爛豪華な総天然色スター時代劇、とは異なる
陰影濃いモノクロのリアリズム時代劇。
そんな中、主演の片岡千恵蔵御大は心なしか浮いている。
色好みで将軍の弟である事を傘に着る主君に菅貫太郎。
この人は長年「バカ殿」を演じ続けたように思うが、
この映画が元祖だったのかもしれない。
単純な悪一辺倒ではない、どこか屈折したこの役はハマり役だと思う。
千恵蔵とは旧友ながら、菅貫に忠義を尽くす侍に内田良平。
こちらも、複雑な人物で味わい深い。
両人とも、その後のテレビ時代劇のゲストで重宝された人。
そんな所も時代劇の転換期を感じさせる。

冒頭、千恵蔵に菅貫暗殺を命じる重臣に丹波哲郎。
時代劇では総髪の印象の強い丹波には珍しいチョンマゲ。
そのシルエットがウルトラセブンに見えてしょうがない (笑)

「十三人の刺客」のうち、千恵蔵と里見浩太朗、居合いの名人である
西村晃以外の十人は、ほとんど人物像が描かれていない。
時間の関係で、さすがに一人一人は描けんわな。
せめて最後に加わる郷士の山城新伍は、
もうちょっとハジけていて欲しかったな。

ストイックに、死に場所を求めるような事を常に言っていた
西村晃の、情けなくてカッコ悪い最期は、
「武士の一分」などは建前で、所詮は見苦しい殺し合いに過ぎない、
という事か。
王道西部劇に対するマカロニウェスタンやペキンパーの流血ガンアクションのように、
そのジャンルの終わりに現れて正統派を看取り、
己もやがては滅んでいく運命の異端、だったのかもしれない。
面白かった。
同じ特集で上映予定の工藤監督の『十一人の侍』も観たい。



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東映プログラムピクチャー | 15:12:35 | トラックバック(0) | コメント(0)
広島仁義 人質奪回作戦
『徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑』、『五月みどりのかまきり夫人の告白』
などの作品で
(このブログ読んでるような)一部の人におなじみ、
牧口雄二監督、唯一のやくざ映画。
広島駅横のレンタルショップにVHSテープが置いてあり、
ご当地の地名が堂々と冠してあるので、
前々から気になっていた一本。
いつかは見たい映画として、その他大勢のビデオと一緒に
横目に見ていた。
しかし気が付けばその店ではVHS大リストラ大会の真っ最中。
狙っていた『九十九本目の生娘』も『緋ぢりめん博徒』も
既にリストラ済み。
しょんぼりと中古の棚を漁ると、これが売れ残っていたので早速、保護。


実録やくざ映画を謳った一本。
舞台は広島。
時代は大胆にも製作と同年の昭和51年。
おいおい、現在進行形の話を映画化したんかい!
それ、関係者が見たらヤバいんじゃないんかい!と思ったが、
実際には限りなくフィクショナルなエピソードで
ホッとするやら、がっかりするやら。

原爆ドームの屋根部分が窓にデカく見えるやくざ事務所(市民球場の前あたりですね)。
幼なじみの小林旭と松方弘樹は、それぞれ
大手暴力団組織の会長と総会屋に。
アキラの実妹・中島ゆたかと松方は内縁関係。
しかし立場上、敵味方に分かれてしまったアキラ&ヒロキは
お互い、タマの殺りあい。
今日も、関西のどこかにしか見えない広島の街は、
珍妙な東映京都風広島弁を使うやくざ達の鮮血で染められるのであった…。

ド派手なストライプスーツをビシっと着こなした
アキラ兄イが中島ゆたかに
「どうじゃ、ワシも黙っとったら立派な実業家に見えるじゃろ?」
という、吉本新喜劇ならそこら辺の人、全員が
「ズルッ!」とすべりそうな台詞を吐く事でも知られる本作。
三下やくざの一人は、カープの帽子を被って必要以上に
「広島」をアピール。
「コウヨウ工業」という、ヤバ過ぎる社名も出てくるぞ。
広島やくざのシノギも不景気で苦しくなっている、
という同時代の世相を反映した設定。
なんでもかんでも「不景気」で片付けられるのは、
昔も今も同じですね。
今や「相棒」で、警察署長にまで大出世した
マッドポリス80・片桐竜次の若き日の情けないチンピラ姿は必見。
渡辺岳夫による「原始少年リュウ」を思い出させる
リリカルなBGMもいい。
しかし肝心の内容はメロドラマ要素多めだが、抗争と
色恋、どちらにも焦点が絞れていないようで、不発。
全体に、隆盛を究めた後の実録やくざ映画の、祭りの後の
寂しさを見るようで、しょんぼりな内容でした。

追伸・ところで「人質」は誰だったの!?

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東映プログラムピクチャー | 22:45:40 | トラックバック(0) | コメント(0)
ヤクザvsマフィア
『ロード・オブ・サ・リング』3部作で世界的に注目され、
『ヒストリー・オブ・バイオレンス』、『イースタン・プロミス』
というクローネンバーグ監督ヤクザ2部作で文字通り
「ハリウッドのイイ顔」になったヴィゴ・モーテンセン兄イ。
そんな兄イの初主演作と思しき本作、
英語題『AMERICAN YAKUZA』だ。
製作は本邦が誇る「侠」の映画会社「三角マーク」のTOEI COMPANY!
兄イが大東映の身内とは知らなんだ。
今回はマイミク・Kさんにお借りしたレンタル落ちの
日本語吹替えビデオにて鑑賞。




オープニングは兄イの憂鬱なプリズンライフが描かれる。
やがて出所した兄イ。日系企業(?)の倉庫係として職に就くが、
ある日、やって来た日本YAKUZA・石橋凌の命を救った事で
五分のSAKAZUKIを交わす仲に。
日本流のGIRIやJINGIに触れ、NINKYOに目覚めていく兄イ。
しかし兄イは実はFBIのINUだった!
兄イとRYOのマーダーゲームの行方は…?

と、なんだか思いっきり作品をコケにしたようなあらすじ紹介で申し訳ないが、
この映画、小粒ながら意外なぐらいしっかりした作り(やっぱりコケにしてますね)。
監督以下スタッフ・キャストのほとんどはアメリカ人。
ちょっとエキゾチック趣味のハリウッド製B級ノワール、といった味わい。
モーテンセンのFBIの上司に『ジャッキーブラウン』の
ロバート・フォースター、敵のマフィアのボスに
『ヒドゥン』のマイケル・ヌーリーと、地味ながら手堅いキャストでいい感じだ。
ストーリーは早すぎた『フェイク』という気もするが、
東映だけに『やくざ対Gメン 囮』が元ネタなのかも知れない。
マフィアに組長以下、皆殺しにされ、
ヴィゴ&凌の殴りこみ、という展開も東映イズムで燃える!

普通、こういう日本ヤクザを扱ったアメリカ映画は、
間違ったヤクザ観・日本観でモンドな国辱映画になりがちだが、
さすがバックに東映が付いているだけあって、無茶な描写もあまり無い。
そういう楽しみを期待する向きには残念だろうが。
英語版は怪しげな日本語のオンパレード(純粋な日本人俳優は2人しか出てないし)
らしいが、吹替え版は声優の達者な演技でそういうお楽しみは無し。
ただし、興奮すると松方弘樹並みに声が裏返る凌兄イの声の熱演はナイス!

異文化のカルチャーギャップの表現として、
ヤクザのチンピラ達が車でバブルガム・ブラザースの
「WON'T BE LONG」のカセットテープ(時代ですね…)を
フルボリュームでかけて盛り上がり、
ヴィゴに「歌えよ!」と強要する、という、飲み会での
上司のパワハラみたいな場面もあり。
「やれやれ」という顔のヴィゴたんに萌え!









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東映プログラムピクチャー | 21:10:55 | トラックバック(0) | コメント(0)
サーキットの狼
直角コーナリング

今年一本目に観た映画は『サーキットの狼』のDVD。
東映製作の実写版。
スーパーカーブームの渦中に、ブームを巻き起こした原作マンガを
実写化したわけだから、東映としてもかなり力が入っていた事だろう。
監督は東映漫画実写化映画の狼・山口和彦(虎は鈴木則文)。
主役とヒロインは、公募で選ばれました、って感じの見知らぬ2人。
オープニング、子門正人の「んんんんうぅ~う~、ぅをぅをぅをぅをぅうぉをぅ~♪」
というシャウトが素晴らしすぎる。


レース場で、ロッテのアイスの売り子やってる主人公。
観戦していた実写版『ドカベン』の岩鬼率いる
中古アメ車暴走族(手下は町田政則ら、いつもの東映チンピラ役者達)に
絡まれるも、得意のバイクテクニックで切り抜ける。

主人公・吹雪裕矢の普段の生業は自動車修理工。
アイスの売り子は憧れのロータス・ヨーロッパ購入の
頭金を稼ぐためのバイトだったのだ。
やがて金も貯まり、ロータスをゲット。
その日から街道レーサーデビューする。

そんな裕矢の前に現れるライバル達は、コンドールマン
・少年ライダー隊隊長・大鉄人17のガンテツさんら
東映子供番組の人気者ばかり。
テレサ野田のバッタモンみたいなヒロインが現れりゃ、
「ほら、カッカしないで頭冷やして」と
ロッテ・クールミントガム渡され笑顔、
街道レース前日には、レーシングウェア着ながら
カプッチョをポリポリ、と
ロッテ製品大盤振る舞いだが、東映お得意の企業タイアップですね。

ストーリーは、原作数冊分をダイジェストにしたような
駆け足状態。
もちろん、東映テイストな浪花節風味にしっかりアレンジされている。

以下、ヨーロッパ製のスーパーカーメインだった敵は
安そうなアメ車マッスルカーになってたり、
原作ではファッションモデルだった裕矢の姉ちゃんが、
スナック(?)を経営する山内恵美子
死んでるのはアカレンジャー

(ええな…)だったり、
中島悟や高橋国光ら、有名どころレーサーが
ゲスト出演するたびデカデカと名前がスーパーインポーズ
されるが、その割にセリフも無くて隠し撮りみたいだったり、
原作者・池沢さとしの出演場面は、相変わらずの棒読みセリフが
素敵だったりと、いちいち東映風味で思わず「最高!」
言いたくなるウェルメイドな仕上がり。
同時上映は『トラック野郎』だったとか。
見終わった客の誰も
『サーキットの狼』のストーリーなんぞ覚えてないよな。

なんだか存在感の薄い主人公、どっかで見た顔だなあ、
吹雪真矢(誰?)

と思っていたが、鑑賞中に分かった。

この人に似てる!(笑)



テーマ:DVDで見た映画 - ジャンル:映画

東映プログラムピクチャー | 20:36:41 | トラックバック(0) | コメント(0)
仇討
仇討

広島映像文化ライブラリーにて、東映の時代劇『仇討』を鑑賞。
製作は1964年。
監督は社会派の巨匠・今井正。脚本は『幻の湖』でもおなじみ橋本忍。
主演は我らが中村錦之助様。

モノクロ・ワイドスクリーンの本作は、
些細な諍いから決闘となり、自分より身分の高い
神山繁を斬った錦之助が、仇討ちに来た次弟・丹波哲郎も
斬り、やがては末弟と御前での仇討ち合戦に至る悲劇。

武家社会のメンツを保つ為、翻弄される錦之助。
重苦しい心理描写が続き、台詞もやたらと多いので、
睡魔が襲ってきたが、途中に入る丹波との決闘の迫力で目が覚めた。
テレビ時代劇の、様式化された踊りのような殺陣とは違い、
刀の重さを感じさせる重量級の立ち回り。
錦之助も丹波もさすがに上手い。

ラストの御前での仇討ちの緊迫感も凄い。
なんと言っても、ほとんど狂人と化した錦之助の顔の迫力に圧倒される。
「美男スター」のレッテルをかなぐり捨てた凄い演技。
後ろに座っていたおばさんが感情移入しすぎたのか、
錦之助が槍で突かれた瞬間に「イタッ!」と
叫んだのには笑わかされた。

無残な死を遂げた錦之助。主役不在となったドラマは
『ワイルドバンチ』よろしく、錦之助の許婚・三田佳子の父親・信欽三が締めた。

一つ、気になったのは、冒頭のクレジットに「石立鉄男」
名前があったのに、とうとう最後まで確認できなかった事だ。
「どこに出てたんだろう?」と調べてみてビックリ。
線が細くて弱々しい美少年の末弟が石立鉄男だったのだ。
人に歴史あり。まるで昆虫の「完全変態」を見た思いだ。





テーマ:昔の映画 - ジャンル:映画

東映プログラムピクチャー | 17:55:53 | トラックバック(0) | コメント(1)
皮ジャン反抗族
'78年東映セントラルフィルム製作。監督は長谷部安春。
昼間はしがない自動車修理工の舘ひろしも、夜になればディスコキング。今夜もDJ・林ゆたかのディスコでフィーバー。ノリノリでフィーバーしていると、にっかつロマンポルノスケバン軍団が乱入。金髪のヅラを被った山科ゆりが仲間の顔をカミソリでハスった!なおも暴れようとするスケバンたちに見かねたディスコクイーン・夏樹陽子は仲裁に入るが逆にやられそうに。そこへ立ちはだかる我らがキング舘。無言の威圧感でスケバン達を制圧。
ディスコの駐車場に停めてある愛車ハーレーに跨る舘。すると物陰から襲い来るスケバン軍団&片桐竜次を筆頭とする不良達。ロクに抵抗もせずボコボコにのされる舘。そこへ陽子と連れの男がやって来たため事無きを得る。不良達の大ボスは井上陽水風のパーマにデカイサングラスの内田「Rock'n Roll」裕也。『ろぼっ子ビートン』の「ガキおやじ」ですか!(笑)
ある夜、ディスコで陽子の連れの男に難癖付けられる舘。得意のバイクでチキンレース。もちろん舘の勝利。気分が良くなった舘は公園の噴水に入る。そこへやってくる陽子&ディスコの仲間達。林ゆたかのラジカセによるDJプレイで深夜の噴水はディスコに一変!フィーバー!レッツダンシン!!
下半身の火照る舘&陽子はハーレーにタンデム。後ろに乗ってる陽子に「寒くないかい!」と尋ねる舘。そりゃびしょ濡れだから寒いよ!(笑)そのままホテルに直行してベッドでオールナイトロング!
舘の勤める修理工場の未亡人・白石和子は工場主任と不倫関係。思春期の息子は面白くない。そんな息子に昔の自分を見た舘はバイクの乗り方を教える。
サカリの付いた猫のように逢瀬を重ねるキング&クイーン。しかし陽子の「私、金持ちの妾なの」という告白に傷ついた舘は陽子と別れる。
街で知り合った娘・森下愛子は妊娠中。「一緒に産婦人科に行って」と哀願された舘は断りきれず同行。しかしその姿を仲間に見られ、あらぬ疑いをかけられてしまう。
後日、森下愛子に自室に誘われ、「抱いて!」と迫られる舘。しかしそんな愛子を平手打ちの男・舘ひろし。理不尽だ…。
ある日、未亡人宅に呼ばれ、「息子にバイクを教えないで」と頼まれる舘。ほつれていた作業服を繕ってもらっている最中、帰ってきた息子は勘違い。舘のハーレーで暴走。「さらば青春の光」よろしく谷底に転落、即死。呆然と見つめる舘。そのままディスコへ直行、フィーバー!というかその前に警察に行け!
夜の公園をフラフラ歩く舘。いきなり暗がりから飛び出してきた片桐竜次にジャックナイフで刺される。竜次は森下愛子の兄で、妹をハラませたのは舘だと勘違いしたのだ。真夜中の公園で一人息絶える舘。  ~終~

東映本社ではなく、系列の東映セントラル製作の本作。そこはかとなくテレビの刑事ドラマ臭がする画面と出演者達。片桐竜次&中西良太という「大激闘・マッドポリス'80」の二人が顔を合わせているのは見逃せない。女優陣は夏樹陽子以外はにっかつロマンポルノ系。それこそ団地妻・白川和子から青い果実の(当時はね)森下愛子まで揃っていてこれまたマニア必見。しかし普通、『皮ジャン反抗族』というタイトルから連想されるのは「ロックンローラーの反逆」じゃないだろうか?この映画は主人公の服装こそロッカーだが、全編に流れるのは安いディスコミュージック。元クールスの舘、そしてユーヤさんはどう思ったのだろう。当時の世界的なディスコブームに呼応してのことだろうが、「サタデーナイトフィーバーみたいな映画でガキをコヤに呼ばんかい!」という映画会社のオヤジの計算が見え隠れする。しかし、伝説の『野良猫ロック』シリーズの監督と同一人物が撮ったとは到底思えないダルでしまりのない映画だ。整備中の舘が不良の車に引きずられる『野良猫ロック・セックスハンター』そのままの場面もあるのだが。ストーリーも紋切り型の悲劇が続くだけのルーチンワーク。どうも日本の映画人と「ディスコ」という素材は水と油のようである。主人公・舘は口の端でボソボソ喋る無口な若者。口下手で自己弁護が出来ないから状況はどんどん悪くなるばかり。ある意味リアルな若者像ではあるのだが。そんな舘が唯一自分を解放できるのがディスコのはずなんだが、踊っていても一つも楽しそうでないのはなんでだろう?スタッフもキャストもディスコ映画にフィーバーできなかったからか?いっそ「あぶない刑事」繋がりで主人公・柴田恭兵だったらよかったのに…。



テーマ:邦画 - ジャンル:映画

東映プログラムピクチャー | 11:58:28 | トラックバック(0) | コメント(2)
河内のオッサンの唄
拓ボン&純子

'76年東映東京。監督は「狼やくざ 葬いは俺が出す」の斉藤武市。
バクチに目がない河内松原の白タク運転手・川谷拓三は同じくピラニア軍団・室田日出男とライバル関係。今日も闘鶏で勝負。敗れた拓ボンは頭に血が上って乱闘をはじめる。そこにタイトルとテーマソング「河内のオッサンの唄」。
河原をミニバイクで走っていた花火工場の工員・夏純子は町田政則(またかよ!)率いる祭の法被を着たチンピラ達に輪姦されそうになる。そこへ助けに入る拓ボンだが、ガメつい純子は助ける時に使った花火の代金を拓ボンに請求。意気消沈の拓ボン。
拓ボンの隣近所は地域の繋がりが濃厚な土地。今日もタコ焼き屋の榎木兵衛・花柳幻舟夫妻が夫婦喧嘩の真っ最中。そこへ大酒のみの六升のオバハン・ミヤコ蝶々がケガをして担ぎ込まれてくる。お礼参りだと隣町の土建屋に殴りこむ河内松原の人々。当然全員逮捕。しかし警察署から解放される男達を女達は花火を鳴らして歓迎。そのままみんなで飲み会。
そこへ蝶々の娘・奈美悦子が東京から帰ってくる。歓迎する街の人々。しかし悦子の表情は何故か暗かった。
朝からサイコロバクチでツキまくりの拓ボン。賭場で海苔巻きを売っていた純子は拓ボンにサシでの勝負を挑む。「足りない分はウチの体や!」と宣言する純子。バクチの結果は拓ボンの勝ち。しかし意外にも照れ屋の拓ボンは金も純子もほっぽって家に帰る。一人で枕を抱えている拓ボンのところへ押しかける白無垢の純子と街の人々。『バクチのカタはちゃんとつけるのが河内モンの仁義』と二人の結婚式を始める。夜を徹しての宴会に家を占拠された二人は外の田んぼで初夜を過ごす。
眠っている拓ボンの車にぶつかってくるダンプカー。運転していたのは東京から来た若者・岩城滉一。突然、拓ボンに「舎弟にしてくれ」とまとわりつく滉一。最初は逃げ回っていた拓ボンだがあっさり家に連れ帰る。
新婚の拓ボンの夜の営みの声にたまりかね股間を押さえて外へ飛び出す滉一。はずみで風呂屋の娘・梅子の初体験のお相手。風呂屋のオヤジは怒り狂うがあっという間に「娘をよろしく」と和解。性にオープンな気風のようである。
拓ボンは懲りもせず室田と闘鶏勝負。負けた拓ボンは室田にバクチのカタに純子を連れて行かれる。憔悴する拓ボンだがそこへ帰ってくる純子。室田とのバクチで勝って無傷で帰ってきたのだ。ホッとした拓ボンは室田と飲み明かす。
梅子と大阪のディスコへ遊びに行った滉一は今井健二率いる東映東京ヤクザ軍団に脅される。組員だった滉一は組長の女・奈美悦子を連れてヘロインを持ち逃げして追われていたのだ。梅子の機転でその場は逃れるが、ヤクザたちは河内松原の街へやって来た。ヤクザの車の前に立ちふさがった蝶々は撥ね殺される。遺言どおり河原で野焼きされる蝶々。
「ガルシアの首」よろしく一人新幹線で東京のヤクザに殴りこみの拓ボン。しかしこの映画は「カオルちゃん最強伝説」ではない。あっという間に袋叩き&つまみ出される。再び組を訪れた拓ボンは金庫のカギを呑み込んで「ヘロインはこの金庫に入っている」とウソをつく。組に監禁された拓ボンは無理やりの食事&イチジク浣腸責め。しかし隙を見て悦子・滉一・梅子と逃げる。
刺青シャツを着て殴りこみの拓ボンに「関東の連れション」と同行する滉一。ダンプでやって来た室田も加わって三人で殴りこみ。ヘロインの取り引き現場を急襲し、金とヘロインを奪って空にばら撒く。騒ぎに駆けつけた警官隊に逮捕される一同。パトカーに乗せられ「ワイらなんで手錠かけられとるんか?」と聞く拓ボンに「重要参考人やさけの」と答える室田。笑いあう三人で「終」。
当時のヒットソング・ミス花子の同名曲をモチーフにした映画。舞台は河内だが製作したのは東京撮影所。しかし意外にも違和感が少ない。主役の拓ボンはじめミヤコ蝶々、花柳幻舟ら関西ネイティブの出演者達が河内の猥雑な下世話グルーヴ感を醸し出しているからだろう。拓ボン主演だけあってピラニア軍団たちが次々にワンポイントリリーフ出演。粉まみれになる成瀬正がおかしい。この時期の岩城滉一はホントに反町隆史そっくり。顔かたちだけでなく、滑舌の悪いところまで。演技もまだたどたどしいが、逆にそれが東京から流れてきて居場所がない若者にピッタリハマっている。ストーリーは最初は少し乱闘シーンが多めの松竹人情喜劇のような展開だが、蝶々が殺されたあたりから「不良番長」や「まむしの兄弟」のような東映任侠モノの変形にシフトチェンジ。だからと言って梅辰や文太のような超人ではない拓ボンは殴りこんでもすぐに袋叩きにされる。主役になっても見せ場は「仁義なき戦い」や東映ポルノで全面展開していたメチャクチャに責められる場面。口の中に無理やり食べ物を詰め込まれるシーンなどは笑える。しかし縛られた上、今井健二に浣腸されるSMポルノみたいなシーンはやりすぎでは?(笑)バイタリティー溢れる佳作。




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東映プログラムピクチャー | 22:03:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
ジーンズ・ブルース 明日なき無頼派
ジーンズは?

'74年東映京都。監督は「893愚連隊」の中島貞夫。
不実な夫・菅貫太郎と乱交バーを経営する梶芽衣子。「野良猫ロック」から幾星霜、すっかり疲れきった梶さんはある日、そんな生活がつくづくイヤになり車で家出。
同じ頃、内田良平・室田日出男・川谷拓三の『ピラニア軍団プラス1』の殺し屋トリオの殺しの手伝いをしていた渡瀬恒彦は殺しの報酬500万円を持ち逃げし、車で逃走。
路上で接触事故をした二人は何故か意気投合。因業な中古車屋・山本麟一から曰く付きの車を買い逃避行の旅に。当然追って来る殺し屋達。しかし凶悪なルックスの割には間の抜けたトリオ+内田の情婦(女ピラニア・橘麻紀)はいつまで経っても二人に追いつけない。
好色なカモ撃ち・曽根晴美から散弾銃を奪った二人は日の丸を的に射撃練習。その勢いでガソリンスタンドや田舎の賭場をタタく。
賭場で手に入れた一千万円を持って渡瀬の故郷にやって来る二人。渡瀬の目的は勤めている農協の金を使い込んだという妹(先ごろワイドショーで復活した堀越陽子)に金を渡す事。しかし妹の使い込みは真っ赤なウソ。ダメなヒモに貢ぐためだった。
渡瀬に先回りして家にやって来たトリオは妹を脅迫、渡瀬を近くの小屋におびき出す。妹を人質にされ、オマケに拓ボンに刺されて絶体絶命の渡瀬。しかし梶さんが散弾銃で拓ボン&情婦を射殺。態勢を立て直そうとした内田&室田はかけつけた警官隊にあっけなくお縄にされる。
山小屋で『殺してくれ!』と哀願する渡瀬を射殺した梶さんは現金に火をつけ、散弾銃で警官隊とわたりあう。プロの狙撃手を次々血祭りに上げる梶さん。しかし最後には額を撃ち抜かれ絶命。大金と共に炎上する山小屋。
「女囚さそり」で一世を風靡した梶さんと我らが狂犬渡瀬との共演作。そもそもの企画の発端は「俺たちに明日はない」みたいな映画がやりたいという梶さんの意向から、という話が中島監督のインタビューに載っていたが、言われなくても分かる直球のアメリカンニューシネマオマージュ。ダメ男と強い女、ラストは主人公の死と炎上、とニューシネマの定石を押さえてはいるが、大陸的な乾いた感じはなく、山陰の曇天のような湿った画面&ストーリー。'74年という年代も微妙に時期を逸しているし。中島監督らしく脇役は充実。言語障害の拓ボンを通訳する室田、殺しのターゲット・北村英三の相変わらずの情けない殺されぶり、中古車屋のオヤジ・ヤマリンさんの爆発ヘアー、とか笑えるシーンも多数。しかしそんな監督の持ち味は梶さんのクールビューティーとは相容れないようで折角のギャグも不発。そして最大の問題点は主人公たる梶さんがカラッとしていて女々しいところが全くないため、この主人公のイメージと合っていないところだろう。渡瀬と共に笑ったり愛し合ったり、と言う女性らしい場面は妙によそよそしく感じてしまう。乱交バーでの冷め切った表情や銃を構えたクールなカッコよさは絶品なのだが。逃亡途中で着替えるブラックレザー姿も最高!ファッションと言えば気になったのは梶さん、渡瀬共に何故かジーンズをはいているシーンが皆無だと言う事。元々、梶さんの持ち歌「ジーンスぶるうす」が先にあっての企画らしいんだが、これではタイトルの意味がありません。



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東映プログラムピクチャー | 21:40:20 | トラックバック(0) | コメント(2)
十七人の忍者
里見浩太郎、若い!

広島映像文化ライブラリーにて鑑賞。
'63年東映京都製作・長谷川安人監督。モノクロ・ワイドスクリーン。
将軍家の世継ぎ争いを巡る謀反の影が。老中は伊賀忍者・甚伍左(大友柳太朗)に、謀反の連判状を手に入れよと命ずる。甚伍佐は配下の忍者十六人を江戸城に潜入させる。しかし、そこには隠密対策に金で雇われた根来忍者の才賀(近衛十四郎)が待ち構えていた。
タイトルからすると主人公となる忍者は十七人。顔と名前を覚えきれるだろうかという不安も束の間。あっという間に八人が殺され、甚伍左も江戸城に囚われの身となる。そこからは若い美形忍者・半四郎(里見浩太郎)をリーダーとする八人の地味だがリアルな江戸城攻略戦。やがて八人の仲間は次々に才賀に倒され、甚伍佐の妹で半四郎の恋人・こずえ(必殺シリーズでおなじみ三島ゆり子。若い!)も囚われの身となり、残るは半四郎と先輩忍者・文蔵(東千代之介)だけになる。厳重な警備に身動きが取れない二人。しかし文蔵の文字通り身を捨てた活躍で半四郎は目指す鬼門櫓に攻め入る。一方、囚われの甚伍佐は拷問で足を潰されていたが、巧みな心理戦で才賀を逆上させる。暴れ出た才賀は半四郎とこずえによって倒される。甚伍佐は二人に幸せに暮らす事を言い残し、息果てる。謀反の計画は未然に防がれ、山には旅立つ若い二人の男女の姿があった。
東映集団時代劇の嚆矢となる一本。既に邦画の斜陽期に入っていたのだろう。それまでの東映風のスターにバッチリ照明が当たった極彩色の映像とは違うモノクロワイドスクリーンの陰影を多用したクールなタッチ。歴史の狭間に暗躍した忍者達をリアルに描き出している。主演は現・水戸黄門である里見浩太郎だが印象は薄い。実質的な主役は甚伍佐・大友柳太朗。豪放磊落な素浪人役が印象深い大友だが、このような冷たく理知的なリーダー役もバッチリ嵌っているのはさすが。敵役の近衛十四郎との駆け引きは見応え充分。近衛といえば素浪人花山大吉。焼津の半次・品川隆二は伊賀忍者役で出演している。すぐ殺される忍者役で汐路章、セリフの無い江戸城の射撃手の一人として川谷拓三も顔を見せている。徳川の治世となり時代遅れの存在になってしまった忍者達。敵側の才賀も只の悪役ではなく、身分の低さゆえ疎んじられ、苦悩する男として描かれている。単純な勧善懲悪時代劇とは一味違う味わい。傑作!



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東映プログラムピクチャー | 17:59:21 | トラックバック(0) | コメント(0)
妖刀物語 花の吉原百人斬り
広島映像文化ライブラリーにて鑑賞。
題名から、ディックミネや安藤昇などを想像した人、違います。それは「千人斬り」(笑)。
'60年東映京都製作。監督・内田吐夢、主演・片岡千恵蔵の時代劇。カラー・ワイドスクリーン。
顔に大きなあざのある捨て子の赤ん坊が生糸問屋の大店の主人に成長。その顔ゆえ、結婚できないでいたが、見合いを断られた帰りに問屋の旦那方に吉原に連れて行かれる。
真面目で純粋な男は強欲な遊郭の人間達に目を付けられ、夜鷹上がりの女をあてがわれ、理由を付けては金をせびられる。女の愛を信じた男は貢ぎ続け、やがては商売が傾いてしまうほどに。金の切れ目が縁の切れ目と見捨てられ、挙げ句に「化け物」とまでさげすまれる男。じっと耐えていた男もついには逆上、生みの親が託していた徳川に仇なす妖刀を手に斬りまくる、と言う話。
ファーストシーンから濃厚な東映京都カラーの画面。石井輝男の異常性愛シリーズなどと地続きであることが良く分かる。遊郭のセットの前には水田まで作ってある。すごい美術だ。
話の内容も「遊郭の色と欲にまみれた人間模様に翻弄される 田舎の金持ち」というバッドテイストに溢れたもの。マゾヒスティックに耐えに耐えていたのが最後に爆発、「ガルシアの首」ばりに花魁道中に斬り込む主人公を捉えた縦横無尽に動き回るクレーン撮影のダイナミックな事!ここは石井輝男の忘八武士道そっくり。
今までこの時代の東映時代劇というと、明朗な勧善懲悪物ばかり、という偏見を持っていたが不勉強だった。これからも機会があれば観るようにしたい。





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東映プログラムピクチャー | 11:09:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
武道ドキュメント 拳豪の祭典
拳豪?

'74年東映京都。監督は「忘八武士道・さ無頼」の原田隆司。
冒頭、いきなり瓦割り。「激突!殺人拳」の流用フィルムだ。音楽も殺人拳の流用。ナレーションは私の世代的にはジャッキー・チェン「酔拳」の師匠の吹替えの小松方正。モンド感満点。レポーターは「893愚連隊」の広瀬義宜。ドキュメンタリーの本作は他では見られない素の広瀬が見られる貴重な一本。広瀬マニア必見!(そんな人いる?)題字はなぜかドン・笹川良一会長。ライトウィング…。
最初に東映空手映画のお約束ともいうべき京都・正武館と鈴木正文館長の紹介。そして空手の源流を辿って沖縄へ。様々な流派が紹介される。その後、街へ出て広瀬の「異論反論オブジェクション」風インタビュー。「あなたは空手をやってますか」はともかく、やたら「空手映画は観ましたか」と聞いているのがおかしい。「燃えよドラゴン」がヒットしていた当時ならでは。女子中学生が「二回見ました」と答えているのにはビックリ。小松方正のナレーションは時に素人風の女の子とのゆるい掛け合いになる。ナレーション原稿の分量が足りなかったのか?
場所は北上して鹿児島へ。薩摩の剣術・示現流の紹介。ここで既に「拳豪」と離れてしまっている。早くもネタ切れか。
場所はかなり飛んで千葉県・野田市。「世界忍者戦ジライヤ」の山地哲山こと初見良昭氏が登場して忍術の紹介。これも伝統武術か?怪しさ200%。
沼津市にて槍の修行をする最後の一人。既にかなりの年配だが今でも継承されているのだろうか?武道館で剣道との異種格闘技戦。地味な試合も殺人拳のバトルテーマが鳴り響くと激燃え。結果はキレイに引き分け。エキシビジョンマッチでしょうね。
四国・多度津の少林寺拳法の本部の紹介。ここのブロックは尺が長く、管長・宗道臣のインタビューも多い。東映お得意のタイアップの香りプンプン。東映でソニー主演・鈴木則文監督「少林寺拳法」が製作されたのはこの翌年。
清水市では「子連れ狼」でおなじみ水鴎流の紹介。なかなか貴重な映像だ。しかしわざわざ「水鴎流の歴史に『拝一刀』の名前は無い」とのナレーションが入るのは小池一夫にケンカを売っていると見た!(笑)
米沢市。鳴らされる法螺貝。今まさに鉄砲隊の火縄銃が、ってこれも武術??鉄砲撃ってニコニコ顔のおじさん達。終了後の飲み会までフォロー。そんなの誰が見たがるんだよ!
そしてそれまでのダイジェスト映像が流れ、道行く人々に「武道やってみたいですか?」という質問。「まあ、やってみたいけどー」とか気の無い回答ばかり。雑踏の中を行く広瀬は何を思う?「終」
当時全盛であった空手ブームにあてがって製作された50分ほどの小品。空手だけではなく様々な日本の武術を紹介するのはいいんだが、素手の格闘技は早々にネタ切れで剣術やら砲術やらで時間稼ぎ。短編にもかかわらず冗長で散漫な内容になっている。やっぱり広瀬マニアにしかおすすめできません(笑)



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東映プログラムピクチャー | 22:12:50 | トラックバック(0) | コメント(5)
武闘拳 猛虎激殺!
'76年東映東京。監督は「女必殺拳」の山口和彦。
場所はメキシコ(とスーパーで出るけど日本の撮影所内の空き地)。空手遣い・倉田保昭は彼の地で空手を見世物にしてさ迷っていた。罪もないニワトリ相手にクラタの武闘拳が炸裂したストップモーションにタイトルIN。タイトルバックは「燃えよドラゴン」風の鏡の間でプロ空手・大塚剛と死闘を展開するクラタ。
所変わって横浜。ここでは空手チャンピオン・矢吹治朗(千葉治郎)と覆面の挑戦者・アイアンドラゴン(クラタ)の空手タイトルマッチが行われようとしていた。二人の技の応酬。最後はドラゴンの「ドラゴン!電撃矢車蹴り(とスーパーが出る)」が炸裂して勝負あり。しかしその試合はチバ弟が勝つはずの八百長マッチであった。悪のプロモーター・深江章喜に仲間入りを勧められるがクラタは拒絶。
場所は奇巌城(とスーパーが出る熱海城)。「カトマンズ拳法」やら「背骨折りの怪腕力士」やらといちいちスーパーが出る怪しい用心棒がたむろする城の城主・石橋雅史&堀田真三兄弟に事の次第を報告する深江。この兄弟はかつてクラタの父と共に海底の財宝を探し当てたのだが、欲にかられて父を殺害した仇だったのだ。
一方、敗れたチャンピオン・チバ弟は自暴自棄になり酒浸りの日々を送っていた。しかしクラタとの雨の中の大喧嘩&お決まりの仲直り。そこへなぜか加わるリーゼントのチンピラ・清水健太郎。その日から三人の(浅いプールでの)修行の日々が始まる。
そんなクラタたちを黙って許しておく石橋兄弟のはずは無く、ジムの会長を拉致して拷問&殺害。怒りに燃えたドラゴン・クラタは「目には目を」の仁義なき東映魂で堀田真三を素手で殺害。
石橋に次に捕らえられたのはチバ弟(学習能力ない奴ら)。健闘も空しく城のペット・猛虎シーザーに激殺される。
石橋側についたライバル・大塚に破れ死線をさまようクラタは石橋の情婦に助けられる。この女は父と共に殺されたクラタの兄の恋人だったのだ。女は城に捕らえられたチバ弟の妹(紛らわしい表現でスミマセン)を救おうとして石橋にバレ、またもやシーザーの三時のオヤツに。
クラタ&シミケンのコンビは古風にもロープで城に侵入。「死亡遊戯」よろしく用心棒達と死闘&激殺。しかし日本刀遣いにやられそうになったところを大塚が「こいつは俺が倒す!」と助け舟を出す。直後、クラタに倒される大塚。バカである…。
映画も終盤、檻に閉じ込められるクラタ。お待たせしましたとばかりに襲い来るシーザー。じゃれてるようにも見えますが。クラタはシーザーにわざと自分の腕を噛ませて(!)スキが出来たところを猛虎激殺!檻を蹴破り脱出(最初から破れ!)。
そして最後はもちろん石橋との死闘。手に「燃えよドラゴン」のハン風鉄の爪を付けて襲い来る石橋を得意の高速キックで激殺するクラタ。お約束どおり城は紅蓮の炎に包まれ消失。クラタの心に去来するものは…?-終-
和製ドラゴン・倉田保昭の古巣・東映での唯一の劇場主演作。もっとも内実は「虎相手のショー映画はイヤだ」と断ったソニーチバの代役だったそうで。この映画、実際みてみるとチバちゃんの判断は正しかった、と言わざるをえない。まず脚本がつまらない。最初から「猛虎」とか「熱海城」とかの小道具や舞台の制約があったためかストーリーが中途半端で盛り上がらない事はなはだしい。この時期には空手映画もやり尽くされて既にネタ切れだったのか?登場人物の交通整理もされてなく、一緒に奇巌城に入ったシミケンは途中でどこへ行ったか分からなくなる。てっきり用心棒にやられたのかと思いきやラストシーンには倉田と並んでるし。加えて演出がまずい。せっかくの世界のクラタの超絶アクションもはっきり見えなくて欲求不満だ。東映風アクションとの相性が悪いのか?ブルース・リー映画の安易なパクリが多いのも鼻につく。キャストも妙に小粒で、チバの映画なら天津敏や山本麟一が演じるような悪の大ボスが石橋雅史だったり、最強の敵が(空手の実力はさておき)華のない大塚剛だったりかなり寂しい。プロ空手の面々も何人かクレジットされてるがほとんど「悪役A、B」みたいな扱い。倉田もGメンとの掛け持ちが忙しかったのか出ずっぱりじゃないし。と、いつになく厳しい事を書いてしまったが、なんと言っても私にとって倉田保昭はテレビ「闘え!ドラゴン」を見て以来の憧れのヒーロー。期待が大きかったため、とご容赦頂きたい。「みようみまねで空手をつかうことはぜったいにやめましょう!」



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東映プログラムピクチャー | 18:59:28 | トラックバック(0) | コメント(0)
ビューティ・ペア 真赤な青春
'77年東映製作。監督は「不良番長」シリーズの内藤誠。
当時人気絶頂だった女子プロレスタッグ、ビューティ・ペア主演のセミドキュメンタリー。本人達が歌ってヒットしていた主題歌で本編スタート。
冒頭、ビューティ・ペア対ライバル・ブラック・ペアのタッグマッチの模様が流れる。ご丁寧にノーカットで三本目まで収録。その上「ボスッ!ドカッ!」という効果音や「頑張ってー!」、「帰れ!帰れ!」なんて応援やヤジまでアフレコで入れてあって腰が抜けそうになる。ビューティのセコンドには佐藤允、ブラックの方は「タイガーマスク」のミスターXみたいな内田勝正。私的モミアゲ御三家の二人だ(あとの一人は上野山功一)。ブラック・ペアにパイプ椅子で足を責められたジャッキー佐藤はそのまま入院することに。佐藤允はマキ上田に、ジャッキーのケガが重い為、新しいパートナーを選ぶよう告げる。そこで病床のジャッキーの回想スタート。友人と二人で自転車で下校するジャッキーの前に町田政則率いる不良グループが現れ、友人に言い寄る。守ろうとするジャッキーだが多勢に無勢、袋叩きにされているところを偶然通りかかった女子プロレスラー・赤城マリ子に助けられ、レスラーを目指す事に。善は急げとその夜さっそく生け花講師の母の許から家出して上京。
一方、マキの回想もスタート。地元・鳥取の高校時代、淡い思いを寄せたバレーボール部顧問の先生(現東映社長・岡田裕介笑)との別れ。やがて気が小さい事を心配した父親に鳥取から車で全女の合宿所に連れて行かれ無理やり入門させられる(ヨットスクールか!)。はじめはイヤイヤだったマキだが同じ日に入門したジャッキーに「一緒にがんばろう」と言われ、ともにレスラーを目指す事に。
そして現在に戻り、再起のためトレーニングを始める二人。一方、ブラック・ペアは七輪で焼いたニンニクを頬張りながら目潰しや指折りの特訓。「プロレスの星アステカイザー」並のプロレス観が素晴らしすぎる(笑)
そしてラストは再び三本勝負。ブラック陣営のコスチュームは「ずべ公番長」そっくりの真紅のロングコート(もしかして使いまわし?)にカポネ団(!)の腕章。やがて試合スタート。ブラックのラフプレーに投げキッスを送る内田勝正の姿に爆笑。ビューティ・ペア、最初は押されるが、最後はもちろんフェアプレーで勝利。満面の笑みの佐藤允。どっちが悪役なんだか。
と、ツッコミどころ満載の本作。回想場面も本人達が純情女子高生をセーラー服でしおらしく演じていてド肝を抜かれる。内藤監督のインタビューによると、本人企画の「地獄の天使 紅い爆音」を撮らせてもらう為の条件として監督を引き受けたんだとか。なんとも捨て鉢なパワーに満ちた怪作だ。



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東映プログラムピクチャー | 21:55:31 | トラックバック(0) | コメント(4)
フィンガー5の大冒険
'74年東映テレビプロ製作。東映まんがまつりの一篇。従って尺は30分足らずである。
監督はなんと漫画家の石森(後に・石ノ森)章太郎。当時、東映テレビプロにて原作番組がたくさんあったためだろう。なんとも大胆な人選だ。
オープニング「恋のダイヤル6700 」からストーリーがスタート。人気者、フィンガー5が町で全ガキ連(近所のボンクラ5兄弟)に「お前らと比べられて迷惑している」と一方的に因縁を付けられ、バスケットで勝負することに。しかしお互いにバスケは素人。さっそく特訓が始まる。その合間に挿入されるレコーディング風景などの実写。全ガキ連の長男はキレンジャーの畠山麦。もうガキじゃないだろ!ちなみにゴレンジャーの放映は翌年から。この映画が縁で抜擢されたのかもしれない。
やがて試合当日。会場には石森一家(本物)の姿も。全ガキ連のラフプレーも辞さぬ猛攻に押されまくるフィンガー5だが、咲いていた花を「かわいそうだから」と摘まなかった兄妹の優しさに打たれた白い花の精(石森の『竜神沼』の少女そっくり)の魔法で逆転。長男が仮面ライダーV3に変身(応援する石森家の次男もなぜか「イナズマン」の少年同盟のコスチュームに変身)してのダンクシュートなどで逆転。勝利を手にする。仲直りしたフィンガー5&全ガキ連。「みんなでアメフトチームを組もうぜ!」と訳の分からないことを言って「学園天国」を熱唱して完。
なんと言うか、オープニングから安ーいムードが漂っている本作。うまく作れば一連のビートルズの映画のように出来る素材(日本なら昔のGS映画みたいな感じか)のはずだが、「まんがまつり」の枠ではそんな時間も予算も無かったのだろう。当時はフィンガー5のスケジュールをブッキングするだけで一苦労だったろうし。推定拘束時間・丸一日…。監督は石森となっているが、連名で小さく「長石多可男」とも書いてある。後の東映ヒーロー番組の映像派で鳴らした監督だ。実際にまとめたのは長石監督なのだろう。所々にそれらしいタッチが散見される。特にクライマックスの試合のシーンはめまぐるしいカット割でデビュー作「ザ・カゲスター」みたい。まあ、一本の映画というより当時のフィンガー5の人気の凄さを追体験するための映像資料ですね。




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東映プログラムピクチャー | 17:27:34 | トラックバック(0) | コメント(0)
産業スパイ
洒落たオープニング

'68製作。我らが梅宮辰夫主演、珍しい東映京都撮影所作品。監督は東映集団抗争時代劇の創始者、というより私的には「必殺」シリーズ等のテレビ時代劇の名匠・工藤栄一。脚本も「必殺」シリーズをよく書いている野上龍雄。オープニング、八木正生のクールなジャズ(クラブのシーンでカルテットを率いて演奏も)にのせてサイケなデザインのスタッフ・キャストクレジット。正に'60sサイケ。「時代劇の東映京都」のイメージをはね返そうとする工藤監督の意気込みが伝わってくる。しかしあまりにもまんまな「産業スパイ」ってタイトルは何とかならなかったんだろうか?田宮二郎とかならともかく、黙っていたらゴロツキにしか見えない辰兄イ(失礼)とのギャップも壮絶だし。
冒頭、いきなり濃厚なベットシーン。相手は辰兄イを「お兄ちゃん」と呼ぶ女・大信田礼子http://akapen.blog44.fc2.com/blog-entry-3.html。凄腕の産業スパイ・辰兄イは仕事のためなら秘書課のオールドミスをコマしたり、クラブのダンサーである恋人・大信田を会社重役に近づけたり平気で出来る男。役柄は変わってもやってる事はこの当時の「夜の帝王」イメージの辰兄イのまんま。そんな辰兄イがゼネコンの重役である渡辺文雄にダム建設入札に利用され復讐する、と言う話。奇しくも「くいしん坊・バンザイ!」のレポーター同士の争い。さぞかし撮影後の飯は美食三昧だったことだろう、と、そんなことをボケーっと考えながら見ていたぐらいだから、映画の出来は推して知るべしでしょう。やっぱ辰兄イミスキャストですよ。工藤監督としても不本意だったのかも。しかし、映画の終盤、突然、当時の学生運動のフィルムが挿入される場面がある。ここが同じく工藤監督の「傷だらけの天使」最終回そっくりで興味深かった。これ、脚本にはない工藤監督オリジナルなんじゃなかろうか?「傷天」の方も脚本には無く、市川森一の不興を買ったという話もあるし。



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東映プログラムピクチャー | 10:46:56 | トラックバック(0) | コメント(0)
世界最強の格闘技 殺人空手
大塚剛氏

ごんべすコレクションより。
1976年製作。監督は「子連れ殺人拳」の山口和彦。
といっても劇映画ではなく、水曜スペシャル風ドキュメンタリー。
主演の大塚剛氏は「プロ空手」の創始者で、東映の空手映画に何本か出演している。
ルックスは山本麟一風の悪人面なんだが…。

「プロ空手」とは、精神性を排除して肉体を鍛錬し、勝つ事のみを追及した格闘技だという。
当時はテレビでレギュラー番組もあったらしいが未見。
今で言ったら「K-1」といったところか。

この映画は高校生の頃、日曜日の昼下がりのテレビで観て、
あまりのモンドぶりに唖然とした。
久しぶりの再見だがその衝撃はいささかも衰えていなかった。
ではその内容を紹介してみよう。

冒頭、かわいらしいマングースが蛇を食べてるシーンとシャモの闘鶏が映し出される。
自然界の弱肉強食が表されているのだろう。
そこに「宇宙猿人ゴリ」のナレーター・小林恭治のモンド感溢れるナレーション
『大塚剛、38歳。プロ空手の創設者である』。
音楽は東映作品おなじみの菊池俊輔。

その後、大塚氏の訓練ぶりが映し出される。
大根の先に鈴をつけたのを振ってもらい、
目隠ししたままサイで斬る(大塚氏より大根持ってる人の方が危ないだろ!)、
ジープで両腕に縛り付けられたロープを引っ張ってもらう(『カランバ』か!)等。
そこへなぜか迷い込んでくる野生のイノブタ(!?)無抵抗のイノブタを突きや蹴りで攻め続け、
サイで止めを刺す大塚(…)。

その後、プロ空手所属の選手達が紹介される。
稲妻豊、バッファロー弁慶なんていうリングネームがイカス。

訓練のため野山を駆け巡る弁慶選手。
カットバックされるサファリパークのサイの映像(バッファローじゃないのか?)。
ナレーション『弁慶が何かを発見した。マムシだ!』。
私の目にはシマヘビに見えるマムシを捕まえてビターンと地面に叩きつけ、
生き血を吸う弁慶。その姿はまるで見世物小屋だ。

紅幸司選手の仕事は肉屋の店員。
彼の特訓は吊るしてある肉を素手で引きちぎる事、ってその肉、商品だろ!

博多の裏町のスナックで飲んでいる選手。
帰ろうとすると数人のチンピラに「おい、ちょっと待ちない!」と博多弁でケンカを売られ、
そのまま応戦。ナレーション『プロ空手はスポーツではない』
そういう問題じゃないでしょうが!と、いった感じで
いちいち例を挙げるのがバカバカしくなるようなナンセンスぶりに唖然、呆然。

その後、訓練や試合風景が続き、そろそろ飽きたところで
大塚氏のアジア武者修行の模様が綴られる。
ここからは菊池俊輔の音楽とも相まってGメン'75香港シリーズみたいなムード。
と、いう事でまずは香港。他流試合禁止のカンフーの道場に行き、
さんざん頼み込んで入山を許可して貰うが、直後、案内の男が襲い掛かってくる。
それを皮切りに次々襲い来るカンフー遣い達。
他流試合は禁止でも挑戦する奴は即、倒せって事か?
もちろん全員打ち負かす大塚氏。

続いてマレーシアのシラリンチャンという耳慣れない国技に挑戦。
歩いていると子供に挑みかかられ、笑ってかわす大塚氏。
子供について行くとシラリンチャンの達人が!「キエーイ!」気合一閃、試合スタート。
しかし素人の私にはシラリンチャンと空手の違いは全く分かりません。
もちろん大塚氏の勝利で終了。

続いて秘境・ネパールへ。
幻の武闘集団ブルキッシュを探す大塚氏。
ナレーション『彼の目には町の女子供もすべてブルキッシュに見える』それノイローゼですよ。
シェパードやドーベルマンにしか見えないネパール犬に襲われたりしながら、
やっと本拠地を探し当てる大塚氏。ハヌマーン風の仮面を被った男と格闘スタート!
映画の残り時間が少なくなったのか、あっという間に倒される仮面の男。しかも死亡…。
土地の風習に従って川岸で火葬にされる模様まで描かれる。やりすぎ!(笑)

以上のような内容のこの映画、もちろん、一から十まで台本ありのフェイクドキュメンタリーである。
こんなの今じゃ地上波オンエアは難しいかも。
当時のカラテブームの余波が生み出した徒花としか言いようがないですね…。



テーマ:ドキュメンタリー - ジャンル:映画

東映プログラムピクチャー | 18:29:33 | トラックバック(3) | コメント(0)
893愚連隊
'66年東映製作、監督は中島貞夫。当ブログで『東映』という固有名詞を書き続けているような私だが、実は東映の本流ともいうべき「ヤクザ映画」にはそれほど思い入れのある作品が無い。ヤクザの世界は我々一般人の世界以上に上下関係や規律に厳しい世界で、自由とは程遠いように感じる。うちの近所にもその筋の事務所があり、たまに外でお見かけするんですが皆さん一様に憂鬱そうな表情をされております(なぜか敬語)。映画の中でもそんな世界でがんじがらめになる登場人物を描くものが多く、無責任に娯楽させてくれないことが多い。私が好きなのは「不良番長」みたいな大組織に属さない愚連隊やアウトローの映画だ。と、いうわけでこの映画、前々から気にはなっていたのだが「ヤクザ」なんだか「愚連隊」なんだかよく分からないので未見だった。しかし年末の倉敷東映「日本暗殺秘録」で自分の中で中島監督に対する注目度がアップ、加えて援護射撃のようなHOTWAX最新号の特集記事。レンタル屋を回ってようやくGetした次第。このビデオ、昭和の頃に発売されたビデオだがなぜか成人向けのシールが貼ってある。直接的なエログロ描写は皆無なのに。今日びのVシネマの方が何倍も刺激的だ。あの頃はビデ倫も厳しかったんだなあ。この映画は東映京都の十数年ぶりの現代劇だという。モノクロだが、時代劇や任侠モノばかり撮ってきたスタッフが作ったとは思えないモダンな映画。日活がニューアクション路線を模索する際に社内で試写したという話も納得。ストーリーは、高松英郎の組長率いるヤクザ組織に美味しいところをさらわれてばかりの松方弘樹達愚連隊グループが、一発逆転を図ろうとするというもの。松方達は「民主主義」を標榜しており、古いしがらみにまみれたヤクザにアンチを唱える存在。しかし通行人からタバコ一本をタカるようなダメ人間でもある。そんな彼らのスリリングな逆転劇は痛快だ。登場人物では松方の特攻隊帰りの先輩を演じた天知茂がいい。闇市時代に投獄されて十数年後にシャバに出たため、戦後派の愚連隊達とは悲しくも笑えるほどにズレている。あとは愚連隊の参謀格・荒木一郎のクールなダメ人間ぶりもいいが、スターに混じって互角の存在感の広瀬義宣がいい。一世一代の当たり役では。「日本暗殺秘録」では千葉ちゃんの工場時代の同僚を演じていたが、中島組の常連役者のようである。この映画があったからこそ後の不良番長やまむしの兄弟などが生まれたのだろう。東映映画史でもターニングポイントになった一本だと思う。







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東映プログラムピクチャー | 12:04:19 | トラックバック(1) | コメント(0)

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