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赤田ペン吉

Author:赤田ペン吉
バカ映画ハンター。
「バカ映画」の定義は、バカな映画と言う意味ではなく、バカ(赤ペン)が好む映画のことです。映画作品を貶める意図はありません。監督およびすべてのスタッフの皆さんにリスペクト!

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怒りの電流は、ほとばしったのか?

もうね、あんまりだと思ったので
2年ぶりに書かせてもらいますよ。

近所のシネコンに『電人ザボーガー』観に行ったんですけどね。

これは、コメディ映画なんですよね?
なのに見事なぐらい笑えませんでしたよ。
それは他の客達(俺みたいな中年オタク親父だけ)も
全く笑ってなかったので、
俺一人がひねくれているわけでもないんでしょうね。
竹中直人や柄本明を投入してコレって、どうなの?
俳優陣がサムーい小芝居を繰り広げてる様は、
付き合いで仕方なく行った小演劇みたいでしたよ。
ちっとも笑えなくてね。
というか、誰か竹中直人に
「あんた、いっつもおんなじでつまんねえよ!」
と言ってあげてください。
昔、ファンだっただけに辛いわ。

あんだけ可愛かった山崎真実ちゃんが
一生懸命繰り出す変顔は、マッハ文朱みたいで悲しかったしね。

井口監督は顔は面白いのに中身は
真面目な人なんでしょうか?
『片腕マシンガール』上映前の褌一丁の寸劇も
かなり寒かったしね。
コメディならコメディで笑わせてください。
そして、笑える中にもカッコイイ画を見せてね。
着ぐるみが想像以上によく動いてたのは
なかなか良かったと思うし。

映画マニアである以前に、テレビの特撮物で『映像』に
目覚めた身としては、
日本でこういうの作ると、かつての「テレビ探偵団」ノリの
昔の作品のマヌケな部分だけ取り上げて揚げ足取るような
もんになる、という事実が歯痒いです。
Yahooのレビューとか絶賛の嵐だけど
「そうそう、昔のテレビのヒーローモノってこんな感じだったよね!」
とか書いてある。
それ絶対違うと思うぞ!
もう、ハナからバカにしてんだよね。

でも、そもそもこの映画がこうなったのは
井口さんだけのせいではなくて
ピープロ作品の権利持ってる奴らが悪いんじゃないですかね?
この映画はどう考えても井口さん向きの企画じゃないでしょ?
権利持ってるメーカーさん。
「クロマティ高校」で宇宙猿人ゴリを
「ライオン丸G」でライオン丸をネタにしたわけだから
次はまさかタイガーセブンじゃないでしょうね?!
なんだか、借金のカタに娘を連れて行かれる
病弱な父親みたいな気分ですよ。
「ヒィーッ! 『冒険ロックバット』で勘弁してくだされ!」
みたいなね。

あと、ホラー映画のDVDに
くだらないコメンタリー付けるのは
もういい加減やめてね。

以上!



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テーマ:特撮・SF・ファンタジー映画 - ジャンル:映画

映画 | 00:24:13 | トラックバック(0) | コメント(6)
「男と女の間には」
最近、劇場やDVDで観た映画を紹介。

『下女』
コワい…

映像文化ライブラリーにて。
1960年製作。韓国映画の鬼才キム・ギヨンの処女作。

キム・ギヨンの評判は最近、ネット上でよく目にしていて、
どうにか観ることが出来ないか、と思っていたら、
映像文化ライブラリーで上映する、という話。
炎天下に文化ライブラリーへ急行。

券売機で入場券を買おうとすると、いつも500円のところが370円。
嫌な予感がしたが、シアターに入るとやっぱりプロジェクター上映。
おまけに完全にはフィルムが残ってないのか、
所々、傷だらけで英語字幕入りのフィルムに変わり、
場面も微妙に飛ぶ不完全な状態。
それでも、悪夢的なキム・ギヨンワールドへの入門篇には十分。
物語は、幸せなピアノ教師の家庭に下働きの下女が
やって来たことによって崩壊するまでの話。
とにかく凄い映画。
出てくる女がみんな凄い。そして魅力的。
下女役は若い頃の藍とも子を細くしたようなキュートな女優。
そんな彼女が登場早々、素手でネズミ捕まえたり、
主人公のピアノ教師誘惑したりの大活躍。
女工役の西川峰子みたいなのも強烈。
それに比べて、主人公を含む男達は皆、精彩を欠いていたが、
一人、主人公の息子役の子役(小学校低学年ぐらい)が
本気で憎たらしくて、見てて殺意すら抱くほどだった。
後で調べたら『外人球団』とかのアン・ソンギの幼い頃で
二度、ビックリ。
腰が抜けそうになる驚天動地のオチまで目が離せない映画。


『天使の欲望』
天使

「真珠夫人」「牡丹と薔薇」なんかの愛欲ドロドロドラマで
おなじみの中島丈博脚本&東映が誇る
「映画人(かつどうや)烈伝」関本郁夫監督という最強タッグの一本。
津軽から東京に出て看護婦をしている姉妹の、男を巡る愛憎が、
しまいには全裸での殺し合いに発展。
いわゆる「東映ポルノ」の一本なんだが、
エロなんかそっちのけで、
自我の強すぎる登場人物達の、極端な行動に爆笑する場面も多い、
それでいて見終わったら逞しい女の生き様が強く心に残る、
突き抜けた一本だった。
東海テレビ製作の昼ドラ好きは必見だろう。
乞うソフト化!


『バッド・バイオロジー 狂った性器ども』

『バスケットケース』のフランク・ヘネンロッター、
十数年ぶりの劇場映画復帰作。

ヘネンロッターの映画は、確か十代最後の歳に、
レンタルビデオが出たばかりの『ブレイン・ダメージ』を
観たのが最初だと思う。
人間の脳を食べる怪物と、怪物に寄生され、
お返しに脳に「よくキク奴」を注射してもらって
マンモスうれP青年の物語。
チープな特撮と、「よくこんなもん映像化するよな!」という
奇想が続く素晴らしい映画だった。

あれから20年以上。
普通、こういう「昔、凄かった」ジャンル映画の鬼才が、
久しぶりに映画を撮ると、渋いけど情熱の失せた、
枯れた映画になる場合が多い気がするが、
ヘネンロッターの辞書に「老成」などという言葉はナッシング!
技術的にも昔と変わらず。言われなければ21世紀の映画とは思えない出来。
物語は、七つのファジャナイルを持つ女と、
元気すぎる「ポケモン」を持つ男のバトル。
男と女の秘め事を、てらいも無く映像化すると、
かくも身もフタもないバカ話になるのか、
と、目から鱗の素晴らしい映画だった。
ヘネンロッター、マジリスペクトっスよ!

以上三本、男と女の間の、深くて暗い河について
熟考したような映画ばかりであった。
勉強になりました。


テーマ:この映画がすごい!! - ジャンル:映画

映画 | 02:46:28 | トラックバック(0) | コメント(0)
「活動写真の限界に挑戦して…」
久しぶりの日記は訃報。
ついに、来るべき時が来てしまった…。

「仁義なき戦い」の俳優・山城新伍さん死去
8月14日7時40分配信 読売新聞

 テレビ時代劇「白馬童子」や、バラエティー番組での軽妙な司会で知られた俳優の山城新伍(やましろしんご)(本名・渡辺安治(わたなべやすじ))さんが12日午後3時16分、嚥下(えんげ)障害による肺炎のため、東京都内の老人ホームで死去した。70歳だった。


朝、起きて最初に見たニュースがこれだった。
悲しい…。

昔、「新伍の○○」みたいな冠番組で、
口を歪めて辛辣なトーク繰り広げていた
山城新伍の事は正直、苦手だった。
しかし、ビデオで『不良番長』シリーズ観るようになってから、
シリーズ途中から参入した「五郎」役で
アドリブギャグ満載で脱線しまくる姿を見て以来、
大ファンになった。
照れも無く、ひたすら真剣にバカバカしい事を
やり続ける姿は、何と言うか、神々しささえ感じられたのだ。
まさに「活動写真の限界に挑戦」していたんだと思う。
一度でも山城新伍が出ている『不良番長』観た事がある人なら
同意してもらえるんじゃないかな?
カポネ団

そういえば先日亡くなった大原麗子も初期カポネ団員。
(安岡)力也は数年前から具合が悪いらしく、
メディアに出ていない。
番長までが、自身のブログ「梅宮辰夫の不良番長(ベタだね!)」で
こんな姿を晒している。

だから、そのうち誰かが…、とは内心、覚悟していたけど
よりによって、いつもラストで番長と一緒に生き残る五郎が、かよ!
現実は辛いなあ。

ビバ!番長!
カポネ団フォーエバー!!

テーマ:俳優・女優 - ジャンル:映画

不良番長 | 14:19:12 | トラックバック(0) | コメント(1)
山口組三代目


前回の『新幹線大爆破』と同日に、池袋文芸坐にて鑑賞。

この映画・・・・・、凄いですよ。
日本最大の暴力団組織「山口組」を堂々、タイトルに冠した作品。
チケットさえ買ってくれれば、政党だろうが宗教団体だろうが
特殊な団体だろうが、どことでもタイアップして
その団体の長の偉人伝を作る天下の東映が、ついにやった、
もとい「やっちまったなあ!」な1本。
封切り当時、コワモテの男達が劇場に詰め掛けたであろう事は
容易に想像が付く。
監督は、仁侠映画のエース・山下耕作。
主演は世界のケン・タカクラですよ!
いろいろ奇跡を感じさせる一本だ。

ストーリーは、山口組三代目・田岡一雄が、
子供時代に親が死んで親戚に引き取られて苦労しながらも、
やがて入ったヤクザ社会で出世していく様が綴られる。
しかしどうにも違和感を感じるのが、映画のタッチが仁侠映画風というか
「いつみても波乱万丈」調の「美談」に仕上がっているところ。
健さん扮する田岡一雄は「バカ」が付くほど一本気で義理に篤いわ、
仲間の田中邦衛達とのやりとりは漫才みたいだわで、
まんま『網走番外地』の主人公みたい。
しかし、ひとたびキレると何するかわからない男で、
柔道家とケンカしてバラ手で目潰ししたり、
相撲取りと揉めていきなりドスで斬りつけたりの
バーリトゥードファイターぶりを発揮。
コミカルタッチに突然、残酷シーンが割り込むので
よけい現実的な「恐怖」を感じさせる。

親分(丹波哲郎)への「義理」を重んじるあまり、
それまで一緒にバカをやってきた兄弟分の菅原文太(『まむしの兄弟』のマンマ!)を
斬り殺すラストに至っては「本当にこれでいいの?」という疑問が浮かんだ。
まあ、田岡一雄本人の手記が原作でクレジットされてるし、
「目潰し」や「殺人」エピソードも実話らしい(怖ぇーよ!!)から
これでいいんでしょうがね。
なんというか、どうにも腑に落ちない映画だった。



テーマ:俳優・女優 - ジャンル:映画

東映プログラムピクチャー | 23:09:51 | トラックバック(0) | コメント(0)
新幹線大爆破


池袋文芸坐にて鑑賞。
『横尾忠則 編「憂魂、高倉健」刊行記念 孤高のスタア 高倉健』
という特集の一本だった。
館内は、うちの父親ぐらいの世代のお父さん方で一杯。
この世代には健さんは今でもヒーローなのだな、と納得。
映画の合間には、前の椅子の背もたれに足を置いた、置かないの
ケンカまで行われていた。
「高倉健」は血中のアドレナリンを上昇させるらしい。


この映画は我らが大東映が、世界的なパニックブーム、オールスター超大作ブームの
流れに乗って製作した1本。
監督は『君よ憤怒の河を渉れ』、『野性の証明』の健さん主演大作から
なぜかスプラッタホラーの極北『実録私設銀座警察』や
果ては『北京原人who are you?』まで作る
オールラウンドプレイヤー・佐藤純弥。

ストーリーは『スピード』の元ネタ、とだけ書けば後はいいよね?

予告篇をみれば分かる、出るわ出るわ、オールスターの顔ぶれ。
しかし大抵のスターは1シーンの顔見せ程度。
電話交換手役の志穂美悦子や、
航空会社のカウンター係の多岐川裕美など、
気を付けていないと見逃してしまうサブリミナル出演状態。
2時間半の大半は、新幹線内での微妙にテレビの2時間ドラマチックな
顔ぶれの人々によるパニックぶりと、
新幹線管制室で大映ドラマまんまに苦悩する宇津井健と、
健さん以下、犯人グループとの駆け引きが描かれる。

新幹線の運転室には我らがソニーチバと、
キケロのジョー・小林稔侍。
そんな新幹線、絶対乗りたくないぞ!
運転席に座った演技で得意のアクションを封じられた
アクションバカ・チバは、ピクピク動く眉毛と
ダラダラ流れる汗で精一杯のアクション。
力みすぎで笑えてくる。
しかしイギリスで発売されたDVDは、「ソニーチバコレクション」
というボックスに収録されている。
世界のケン・タカクラを超えたソニーチバの抜群のネームバリューに脱帽。

出演者も多く、おまけに2時間半の大作だけあって、
途中いろいろとツッコミどころもあるこの映画だが、
犯人グループの山本圭が撃たれてから
なんだか目頭が熱くなってきて、死んだあたりでは、
いつの間にか鼻水が出るほど泣いていた。
これには我ながらビックリした。
山本圭に思い入れすぎてしまったらしい。
何度も観た映画なのに、スクリーンで観ると違うね。

その後、健さんが、死んだ仲間を想う場面で、
計画が成功したら何がしたい、と聞かれた生前の山本圭が
「革命の成功した国へ行ってみたい。
もう一度、人間への信頼を取り戻したいんだ」
と屈託なく語る場面でさらにダメ押し。
「地上の楽園」などどこにも存在しない、
という事実を誰もが知っている21世紀の今となっては、
仮に山本圭が死なないで計画が成功していたとしても、
「人間への信頼」なんか取り戻せなかっただろう、
というのは容易に想像が付く。切な過ぎる!
思わず「ウッ!」と声まで出そうになって慌てたが、直後、
同じ質問を受けた健さんが、
「・・・・うーん・・・・、ブラジルにでも行くかな」
とワンテンポずれた答えを出した頃には、
山本圭以下、全員がその場から居なくなっていて、
いつの間にか独り言になっている、
という珍場面で笑って事なきを得た。

その後の展開は、新幹線の爆発回避、
真一・治郎のチバ兄弟によるガッツポーズ、
男・高倉健の羽田での死、とドラマチックだが、
山本圭の死でガックリきてしまって
いつの間にか熟睡。
気が付けば「特別出演 丹波哲郎」と
画面一杯にテロップが出ていた…。





テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

東映プログラムピクチャー | 10:33:35 | トラックバック(0) | コメント(0)
ヘアピン・サーカス


東宝ニューアクションの雄・西村潔監督による作品。
割とレア度が高い映画だと思うが、
最近、DVD化されたり、サントラが出たりして 再評価されてるらしい。
今回たまたま吉祥寺バウスシアター「爆音映画祭」での上映と
上京のタイミングが合ったので、劇場へ。
レビューに和製『バニシング・ポイント』なんて書かれた日にゃ、
観なけりゃならない宿命でしょう、これは。

冒頭、首都高で前を走る車と車間距離を詰めては、
右へ左へ車線変更して次々と追い抜いていく主観撮影に
度肝を抜かれる。これは、撮影用の仕込ではなくて
明らかにゲリラ撮影だ!物凄い迫力。
車のエグゾーストノイズも爆音上映に効果的で気持ちがいい。

主演の人は俳優でなく、本物のレーサーらしい。
なかなか大胆な起用ですね。
ヒロインに江夏夕子。
江夏夕子と言えば、目黒祐樹夫人で、
昔のテレビ時代劇のゲストでよく見る幸薄(殺される事も多い)娘、
という印象しかなかった。

何故、この2人で映画を?という疑問は本編を見たらすぐ理解できた。
街道レース場面の多いこの映画には、実際に高度な運転テクニックを
持った役者が不可欠だ。
主役の人は当然の事ながら、江夏夕子はA級ライセンスを持っているらしいし。

主人公は元レーサーだが、一人の女(なぜか笠井紀美子!)

をめぐる三角関係でライバルを事故死させたトラウマで
今では自動車教習の個人指導をしている男。
そこへ、一年前に指導したスピード狂でワガママな
金持ちお嬢(江夏)が現れ…、と言う話。

お嬢の車は黄色いトヨタ2000GT!
劇中、2000GTが、アルファロメオが、ダルマセリカが、サバンナRX3が、
公道で本気バトル&クラシュ!
日頃、東映製の、オンボロアメ車と「スポーティーカー」ですらない
大衆セダン達が、空き地でぶつかり合う映画(それはそれで凄く好きだが)
ばかり観ている目には信じられないような映像だし、
その後のスーパーカーブームの渦中に作られたどんな国産映画より
豪華で迫力満点。
公道レース場面は間違いなく無許可撮影!

劇中、主人公の日常に過去のレース(実際に主人公が出走している記録映像)が
割り込む趣向は『バニシング・ポイント』風だが、
ヨコワケハンサムなカーレーサー、
ジャジーなサントラ、マカオグランプリ(!!)、
70sマニア垂涎な内装のドライブイン、と
そのテイストは「アメリカンニューシネマ」と言うより
「クレイジーケンバンド」の世界!
まさにこんな感じ。

イイネ!(笑)

劇中、運転席で眠っているお嬢の、ラメが入ってツヤツヤしている唇の辺りを
じっと見つめる(変態か!笑)主人公。
恐らくは、出来ちゃった結婚であろう妻子
(妻は、『野良猫ロック』だった戸部夕子)がいるのに
どうしようもなくワキが甘い奴。
中川信夫版『地獄』の天知茂並み。
それに気づいてパッと目を開き
「お願い…、キスして!」と誘惑する(予告編のカウンター2分9秒ぐらいのカットね)
ツンデレ江夏夕子。
おのれは『地獄』の沼田曜一か!! (笑)
当然の様に主人公は拒否。
女のプライドを傷つけられた夕子の激情が、
バイオレントで突き放したような不幸へと導く。
なかなか凄い映画だ。
劇場で観てよかった。







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東宝 | 21:45:30 | トラックバック(0) | コメント(0)
遊星王子
パッケージはアイアンシャープ(ソニーチバ!)

amazonUSにて東映製作『遊星王子』劇場版と『宇宙快速船』2in1DVDを購入。
このDVD、格安だが、英語吹き替え版のため、
英語の聞き取れない自分にはストーリーの細部が理解できないのが残念だ。
しかし、真の娯楽映画に言語の壁など無い!
英語でも三角マークは三角マーク!
今回は「PRINCE OF SPACE」こと
『遊星王子』のあらすじを紹介してみたい。

*注意

以下の文章はあくまでも「私見版」と言う事で、
暇を持て余し、なおかつ 洒落の分かる方のみお読みください。
本文を読んで気分を害されても当方は一切責任を持ちません。

・・・・・・警告したからね。

「遊星王子」はもともと「月光仮面」の宣弘社製作の
テレビシリーズであった。
テレビ版の主役はアフタヌーンショーの食べ歩きで
おなじみ村上不二夫。
全身タイツに顔出しの哀愁の中年ヒーロー
奇怪な気合いで敵を倒す珍作である。
この番組の人気に目をつけたのが「義理欠く・恥欠く・仁義欠く」
でおなじみ「三欠くマーク」の東映カンパニー。
本作は梅宮辰夫主演による劇場版である。

~時は未だテレビの普及率も低い昭和30年代の事。
皆でボクシング中継を見ようと集まった茶の間のテレビに
映る奇ッ怪な人物。
宇宙ヤクザ・岡譲司である。
「オウ、オドレラ!ワシらは宇宙挺身会のモンじゃあ!
今日から地球はワシらのシマぢゃけんのう !
文句がある奴ぁかかって来いや!ワハハハハ!」と呵呵大笑。
海底軍艦のバッタモンみたいなドリル戦艦に恐れをなした
「三丁目の夕日」みたいな小市民達は恐れおののき、神に祈った。
そこへ響き渡るジェットの音!
「手前、生国を発しますに宇宙です!
縁持ちましての通り名は遊星王子です!」

宇宙カポネ団々長・神坂弘の登場だ!

普段の弘のシノギは靴磨きである。
ちなみにこの
姓は梅宮 名は辰夫~♪
朴訥なイケメンが後の女殺しの帝王に
なろうとは羽賀健二にもわかるめえ。

弘は手に持った棒状の武器(仮称・シンボルちゃん)を振り回す。
男のシンボル~♪
シンボルちゃんは縦横無尽にビームを射出、
果ては 伸縮自在の立派な竿で宇宙ヤクザの肉体を突きまくる、チャッカマン状の万能兵器だ。
全く、シンボルちゃんサマサマだぜぇ!



劣勢となった岡は頼みの綱の巨大怪獣を弘に差し向ける。
醜怪なランプの妖精の如きこのモンスターこそ
本邦悪役界の重鎮・山本麟一に特殊メイクを施した姿である。
アッサラーン!
その役者魂には脱帽だ。
しかし、さしものヤマリンさんも宇宙番長には敵わない。
「オラぁ四十まで番長だからな!

それまでは死なねえ事になってんだよ!」


やがて敵の本拠に攻め入った弘、
宇宙挺身会のチンピラ相手にシンボルちゃん振り回し大暴れ!
この挺身会の構成員の一人が元・東映フライヤーズのピッチャー
「まずーい!」でおなじみ八名信夫その人である。
まずーい!もう一杯!
なんとこれが俳優デビュー作!
「キカイダー01」、「ゴレンジャー」などの
着ぐるみ仕事が多かったこの人の役者事始めがこの「付け鼻宇宙人」だったとは!
感動(と失笑)の涙を禁じえない。
キャストがローマ字で5人しか表記されてないのに幸運にも
この男はその中に入っている。単なる「宇宙人の手下A」なのに。
誤植だらけ…
しかし「Nobu Yatsuna」って表記はどうよ?
(よく見ると辰兄イも「Unemiya」って誤植してますね)

いろいろあって最後は弘自慢のシンボルちゃんに物を言わせ
千人斬り。
宇宙ヤクザの死体の山が築かれ「完」
何時の世も三角マークの映画は変わらないのであった。

~宇宙番長・やらずぶったくり これにて一巻の終わり~

おあとがよろしいようで。






テーマ:特撮・SF・ファンタジー映画 - ジャンル:映画

不良番長 | 18:33:16 | トラックバック(0) | コメント(0)
十三人の刺客
全国の東映系の劇場で開催されていると言う
「東映時代劇まつり」へ。
本日の上映は工藤栄一監督『十三人の刺客』

若者や、小さい子連れ夫婦ばっかり来てる様な印象がある
シネコンに、ご新規の客層開拓、という、その心意気や良し。
入場料千円、というのも良心的だし。

しかし、ポップコーンのバターの香り立ち込める(誰も食ってないのに)劇場で、
モノクロで、音がバサバサいってセリフが飛びまくるフィルムを
見るのは妙な気分だ。
客層が客層だけに、途中、トイレに立つお父さん方が多い事。
それでトイレのすぐ横のスクリーンだったのかもな。

工藤監督の映画、封切では『泣きぼくろ』しか見てない。
確か『無能の人』の同時上映だったような。
山崎努を見て「あ!念仏の鉄だ!」と思った記憶しかなし。
監督に対しては、長年「必殺シリーズ」の人、
という印象しかなかった。
「光と影の美学」も、必殺は他も大抵、そうなので印象薄し。
他の人が工藤演出に倣っているせいかもしれないけど。

タイトルクレジットで助監督に「田宮武」の名前を見つけた。
後の東映動画の重鎮だ。
東映では、東映動画に入った人材も、京都撮影所で修行させる、
という話を聞いたような気がするが、厳しい修行だと思う。
そこで心折れて挫折した人材もいたんじゃなかろうか?

集団抗争時代劇のはしり、と言う事で、
東映伝統の絢爛豪華な総天然色スター時代劇、とは異なる
陰影濃いモノクロのリアリズム時代劇。
そんな中、主演の片岡千恵蔵御大は心なしか浮いている。
色好みで将軍の弟である事を傘に着る主君に菅貫太郎。
この人は長年「バカ殿」を演じ続けたように思うが、
この映画が元祖だったのかもしれない。
単純な悪一辺倒ではない、どこか屈折したこの役はハマり役だと思う。
千恵蔵とは旧友ながら、菅貫に忠義を尽くす侍に内田良平。
こちらも、複雑な人物で味わい深い。
両人とも、その後のテレビ時代劇のゲストで重宝された人。
そんな所も時代劇の転換期を感じさせる。

冒頭、千恵蔵に菅貫暗殺を命じる重臣に丹波哲郎。
時代劇では総髪の印象の強い丹波には珍しいチョンマゲ。
そのシルエットがウルトラセブンに見えてしょうがない (笑)

「十三人の刺客」のうち、千恵蔵と里見浩太朗、居合いの名人である
西村晃以外の十人は、ほとんど人物像が描かれていない。
時間の関係で、さすがに一人一人は描けんわな。
せめて最後に加わる郷士の山城新伍は、
もうちょっとハジけていて欲しかったな。

ストイックに、死に場所を求めるような事を常に言っていた
西村晃の、情けなくてカッコ悪い最期は、
「武士の一分」などは建前で、所詮は見苦しい殺し合いに過ぎない、
という事か。
王道西部劇に対するマカロニウェスタンやペキンパーの流血ガンアクションのように、
そのジャンルの終わりに現れて正統派を看取り、
己もやがては滅んでいく運命の異端、だったのかもしれない。
面白かった。
同じ特集で上映予定の工藤監督の『十一人の侍』も観たい。



テーマ:昔の映画 - ジャンル:映画

東映プログラムピクチャー | 15:12:35 | トラックバック(0) | コメント(0)
「え~それでは後半行きます!(by.長さん)」
小学生の頃、トヨタ「チェイサー」の、草刈正雄がカメラ目線で
「喝!」と言う
CMがかっこいいなあ、と思っていた。
思えばその頃が草刈正雄の全盛期ではなかったか?
今や前世紀ですがね(苦しい)。

バックに流れる歌が好きだったんだが、
つい先日、朱里エイコの歌だと判明。


モロに「ルパン三世」だけど、大野雄二の仕事だよね?
それにしても、すごいジャケ!


当時、「8時だよ!全員集合」の幕間は、
ゲスト歌手の歌のコーナーだった。
それは、「ドリフ大爆笑」も「欽ちゃんのドンとやってみよう!」も
「見ごろ!食べごろ!笑いごろ!」も「凸凹大学校」も同じだった。
当時は歌が流れてる時間は、トイレタイムだったんだけど、
こうやって聴くといい歌ばっかりだったんだな。





少し前にテレビで歌ってたけど、やっぱりカッコ良かった。



ちなみに、自分が物心ついた頃、歌っていた歌はこれらしい。


こんなの歌ってる幼児は妙だ…。
冒頭のお嬢はズラですか?





これもカッコいいな。「北国行きで」もいいね。
これだけの実力がありながら、晩年は不遇だったらしいのが悲しい。
冒頭のチータの襟、デカっ!





小学生の頃「ジャングル大帝」のエンディング聴きながら、
「この人は歌がうまいなあ」としみじみ思った。
冒頭の青江三奈のヘアスタイルは、スプレーで固めてるのか?





「ちわきまゆみ」じゃないよ(わかんねえだろうなあ…)。
冒頭の佐良直美は、泉麻人みたいだ。



なんでもかんでも「昭和歌謡」でくくってしまうのは抵抗があるけど、
確かに、この平成のご時世には
それしか表現の仕様がないのかもしれませんな。







テーマ:懐かしい歌謡曲 - ジャンル:音楽

音楽 | 07:55:01 | トラックバック(0) | コメント(0)
オルカ


マイフェイバリットムービー『オルカ』がDVD化されるらしい。
いつまで待っても出ないのであきらめていたんだが、うれしいニュースだ。

この映画、世間では「ジョーズのバッタもん」以上の評価をめったに聞かないが、
自分的には大好きな映画。

ストーリーは、生け捕りにしようとした雌シャチと
腹の胎児を死なせてしまったノーラン船長(リチャード・ハリス)を
夫の雄シャチが執拗に付け狙う、という内容で、
ご都合主義の展開やキャラクターの性格の
不明確な点も散見される。

しかし、いわゆる普通の動物パニックと違い、
この雄シャチは高い知能と人間的な感情を持ち、
闘いを避けて港町に引っ込むノーランを挑発して
町の人々から孤立させ、海に出ざるを得なくさせるなど、
まるで死神のようなイメージで描かれている。
ノーラン自身も飲酒運転の車に妻子を殺された過去が語られ、
あたかも自分自身との闘いであるかのようにも見える。

撮影は終始、落ち着いたトーンになっており、
特に後半、シャチを追って氷の海を航海するようになると、
氷の白と鉛色の海、モノトーンのシャチが
絶妙のコントラストを醸し出す。

移民であるノーランが学者のシャーロット・ランプリングに
『船の借金を返してアイルランドへ帰りたかった』と
告白するシーンは泣ける。
このあたりの、ショックシーンは多いものの
基本的には豪快な海洋アクションの「ジョーズ」とは
正反対の陰性な内容は
プロデューサー=ディノ・デ・ラウレンティス(イタリア人)と
監督=マイケル・アンダーソン(イギリス人)の
資質によるものが大きいのでは?

終始ウエットなエンニオ・モリコーネのサントラも素晴らしい。
メインテーマは掛け値なしの傑作だと思う。
寝苦しい真夏の夜のBGVにも最適。


加えて、本DVDにはテレビ放送時の
日本語吹き替えも収録されているらしい。
個人的には原語版より面白かったので、
是非、吹き替え版を鑑賞してほしい。

『オルカを見ずして、愛を語るなかれ!』

しかし、このジャケットデザインはないだろう…。




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SF/ホラー | 23:52:18 | トラックバック(0) | コメント(0)
デビルズ・バックボーン


地元の映画館にてギレルモ・デル・トロ監督
『デビルズ・バックボーン』を鑑賞。
スカパー!シネフィルイマジカで2年ほど前に観たが、
スクリーンでは未見。
どうも当地では未公開だったそう。
上映してくれた劇場に感謝だ。

子供が主役で、スペイン内戦下の物語、
おまけにナイフ、虫、銃殺と、
デル・トロ節が効いた内容。
『パンズ・ラビリンス』とは地続きのように思える。
同じくスペイン映画の『ミツバチのささやき』も意識してる、
と思うのは考えすぎか?

登場人物の名前、カルロスだのカルメンだのコンチータだの、
耳慣れた名前が多いが、
スペインは人名のバリエーションが少ないのか?

自分は生き物の中でもナメクジは
かなり苦手(得意な人のほうが珍しいだろうが)な方だが、
彼の国のそれは子供の掌ぐらいあるようで。
そういえばナメクジホラー『スラッグス』もスペイン産だ。
それを主人公の子供は箱で飼っていて、手に乗せたりする。
普通なら鳥肌ものの描写のはずだが、
意外や不快感を感じず。むしろ可愛く感じる。
デル・トロの演出力のせいなのか?

オタク趣味全開の『ヘルボーイ』シリーズも好きだけど、
この映画は抑制の効いたタッチでとてもいい。
デル・トロ作品中では一番好きかもしれない。
何度でも観てみたい、と思わせる一本。





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SF/ホラー | 15:58:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
暴力脱獄


自分でも理由は良く分からないが、
昔から、「脱獄」を描いたドラマが好きだ。
『女囚さそり』、『暴動島根刑務所』、『ダウン・バイ・ロー』。
ルパン三世「脱獄のチャンスは一度」とか。
プリズナーNo.6も、脱獄モノと言えるのかも。

スカパー!シネフィルイマジカにて『暴力脱獄』を観た。
1967年製作、主演は去年、亡くなったポール・ニューマン。

邦題は、東映三角マークに荒波が砕けて、
「網走番外地」のメロディーをバックに、
ケンカやリンチが続きそうだが、
アメリカンな囚人たちは陽気で、和気あいあい。
意外なぐらい静かで、淡々とした内容。
「暴力」をふるうのは、主に看守。

ニューマン演じるハッタリ屋のルークは、
負けず嫌いだが、憎めない性格で、やがて囚人たちの
シンボル的な存在になる。
何があっても動じなかった不屈のルークだが、
唯一の肉親である母親の死によって、脱獄バカの血が騒ぎ、
理由なき脱獄を繰り返す。

途中、屋外での作業中、近所の金髪の女が、囚人達に見せびらかすように
薄着で洗車する、ラス・メイヤーの映画みたいな見せ場もあり。
男ばかりで映画にうるおいが無い、と思った製作者のサービスか?

死のまさにその瞬間まで笑っているポール・ニューマンもいいが、
オールスター大作でおなじみの熊親父、ジョージ・ケネディが
演じた牢名主ドラッグがいい。
当初は、常に不敵なルークを生意気だと対抗意識を燃やすが、
ボクシングで、倒れても倒れても向かってくるルークに
漢気を感じ、 一目置くようになる。
ルークを思ってのラストの行動には男泣きだ。
『死霊のかぼちゃ』や角川映画にまで出る、
仕事選んでなさそうなケネディの代表作じゃなかろうか?

音楽は『燃えよドラゴン』、『スパイ大作戦』の作曲家ラロ・シフリン。
ギターによる、素朴でリリカルなテーマ曲が胸を打つ。
静かなこの映画の、良いアクセントになっている。
劇中、ニューマンが母の死を想って一人、バンジョーを弾きながら
カントリーソングを歌う場面も味がある。

この映画も、いつかスクリーンで観たい。





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アクション | 14:57:07 | トラックバック(0) | コメント(0)
沖縄やくざ戦争


マイミク・Sさんにお貸しいただいたビデオで鑑賞。
我等が東映。そして、我等が中島貞夫監督作品。

とにかく、冒頭から映画のバランスも考えず暴れまわるソニー千葉が素晴らしすぎる!
武闘派ヤクザを「狂犬」にたとえることがよくあるが、
本作のソニーは「狂犬ヤクザ」通り越して「キ*ガイヤクザ」。
レイバンのサングラス、タンクトップにカーゴパンツで
肉体美を披露し、KYに空手で大暴れ。
オープニングからオノを振り回すダーティーファイターぶり。
大友勝利meets KARATE!
縄張りを荒らした室田日出男の男性自身をペンチで切断させたりと
(ちなみに切るのは志賀勝)、刃向かうものには容赦ない。
その上、徹底したヤマト嫌いで、本土から出店したチェーン店の居酒屋店長を
半殺しにし、キャバレーで熱唱する本土のヤクザを
三線に乗せた空手の演舞で威嚇後、
車で轢き殺し、「本土と戦争になったらどうすんだ!」と
詰め寄る及び腰の幹部連中に向かって
「戦争やったろうじゃねえか!戦争 ダ~イスキ!」と、
中山ヒデの番組タイトル言ってのけるオチャメぶり。
間に立って本土ヤクザ・梅宮辰夫に侘びを入れた松方弘樹には
「24時間以内にコザから出て行け!てめえの一門見つけたら、一人残らず
タッ殺したる!!
と、狂った死刑宣告。
ソニーの顔芸見てるだけであっという間に前半戦終了。

しかしこの映画の主役は松方弘樹。
このまま影が薄いんじゃかなわん、とばかりに
松方配下の渡瀬恒彦がソニーを謀殺。
断末魔のソニー、死の瞬間、江頭2:50ばりのブリッジを披露!
エガちゃんブリッジ!
ステキだ!

ソニー死後、なにもかも失った松方弘樹が反撃に転ずる
後半もいいんだが、前半の実質的な主役・ソニー不在は物足りない。

VIVA CHIBA!!







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ソニーチバ | 00:01:05 | トラックバック(0) | コメント(1)
暖簾
今日から映像文化ライブラリーの「川島雄三監督特集」再開。
朝から、おじいちゃん・おばあちゃんに混じって鑑賞した。

今日の上映は『暖簾』
一杯飲み屋の話ではない。
いかにも花登筺が書きそうな大阪商人の立身出世モノだが、
原作・山崎豊子。本人の生家がモデルの処女作なんだそう。
川島監督は洒脱な都会派だと思っていたのでちょっと意外。
しかし、そういう出世モノにありがちな陰湿で重苦しい話にならず、
笑いを交えた軽妙な作風はやはり川島監督らしい、と言うべきか。

淡路島から単身、大阪にやってきた少年が、
大店の昆布問屋の主人に拾われ、丁稚奉公。
苦労を重ねて商いを学んだ可愛い少年は、なぜか森繁久彌に成長。
やがて主人から暖簾分けしてもらった森繁は、
商いに精進して店を大きくする。
ストーリーは、そんな昆布問屋の二代に渡る繁盛記。
二代目の息子の役も森繁の二役。
とにかく、上映時間の多くを森繁で埋め尽くされた、
モリッシーマニアにはたまらない内容。
アクティブなラガーマンの二代目森繁。
走り回る森繁。
単車を乗り回す森繁(タンデムする中村メイコ)。
一人で愚連隊を叩きのめす森繁。
闇屋をやってる元使用人をタレ込んで店を奪い取る森繁…。
まさに『森繁久彌・やらずぶったくり』。素晴らしい不良番長ぶり。
知床旅情歌ってたり、葬式で弔辞読んでたりするのとは
違うアグレッシブな森繁の姿。50年も前ですもんね。
奥さん役の山田五十鈴は50年前も今もあまり変わらず。

関西を襲った室戸台風の場面では、短いながらも
ミニチュア特撮も交えたダイナミックなスペクタクルが描写される。
意外な見せ場に大満足。
一人二役のマスク合成も、モノクロゆえに自然な仕上がり。
特撮のクオリティの高さは東宝系列の宝塚映画制作だからだろうか?

ネイティブな大阪弁飛び交う映画だが、
当方が関西人でないからか、出演者の大阪弁に不自然さを感じない
(もっとも、現地の人が見たらまた違った感想のような気もするが)。
ともかく、2時間超の上映時間も苦にならないのはさすが川島雄三。
今後の上映作品も楽しみだ。






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東宝 | 01:08:49 | トラックバック(0) | コメント(0)
クリスチーナ・リンドバーグinアニタ
「スウェーデン」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべるだろうか?


社会福祉?


ABBA?


VOLVO?


ビョルン・ボルグ?(古っ!)


自分の世代の男は、十中八九
「ポルノ」なんじゃなかろうか?(下品ですみません)

小学生時代、「ジャンプ」に載ってた「すすめ!パイレーツ」
なんかのギャグ漫画で
「スウェーデン直輸入」だの「ノーカット」だのと言った
セリフが飛び交うのを見て、ニタニタと笑っていた
我々が思う彼の国は「ポルノ解禁」、「フリーセックス」 の
桃源郷だったのだ。 意味も良く分かっていなかったのに。
しかしそこはさすがに小学生、当時はそんなもの見られるわけも無く、
成長後には洋ピンの時代も終焉を迎えていて、
幸か不幸か現物を見ることなく、いつの間にか中年と成り果てていた。

そんなある日、近所のレンタルショップでこのDVDと対面。
大人しいDVD題だが、本邦での当時の公開題は
『異常性欲アニタ』ですってよ!
主演は『ゼイ・コール・ハー・ワン・アイ』で『キル・ビル』の
元ネタの一つにもなったクリスチーナ・リンドバーグだ。
今すぐKiss ME!(わかるかなあ…)

と言う事で、30年の時を経て対面した本作なのだが…。
いわゆる「ソフトコア」なのですね。
内容的には本当に大人しい。
軍人の父と継母、意地の悪い妹、という不幸な家庭環境のせいで
色情狂かつ不感症になった主人公。
しかし愛する青年の献身的な治療と愛情のおかげで完治。
家を出てラブラブハッピーエンド、という能天気なもの。
ラストシーン手前に、青年と2人で車の中から
線路を走る列車を見る場面があったので、
ニューシネマ的なアンハッピーエンドを想像したが、さにあらず。
肝心のカラミの描写は淡白で短い。
少しカットすれば90分枠の「午後のロードショー」で
十分オンエアできそう。
夢は夢のままでおいたほうがいい、という良くあるパターンでありました。

そんなわけで当方のオゲレツスウェーデン幻想を砕いた映画だが、
シャレオツで退廃的なテーマソング、
洋服のレザーやファー使い、ヘアスタイルなど、
濃厚なヨーロピアン70sを堪能できる一本。
カーディガンズとかのスウェディッシュポップ大好きっ子の
貴女なら必見!


・・・・・って、そんなのも一昔以上前の話ですよね。

クリスチーナはなぜか現在、熱心なキノコ採集者になっているそうです。
昔から好きだったもんね、キノコ…。






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ピンキーバイオレンス | 13:37:54 | トラックバック(0) | コメント(0)
広島仁義 人質奪回作戦
『徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑』、『五月みどりのかまきり夫人の告白』
などの作品で
(このブログ読んでるような)一部の人におなじみ、
牧口雄二監督、唯一のやくざ映画。
広島駅横のレンタルショップにVHSテープが置いてあり、
ご当地の地名が堂々と冠してあるので、
前々から気になっていた一本。
いつかは見たい映画として、その他大勢のビデオと一緒に
横目に見ていた。
しかし気が付けばその店ではVHS大リストラ大会の真っ最中。
狙っていた『九十九本目の生娘』も『緋ぢりめん博徒』も
既にリストラ済み。
しょんぼりと中古の棚を漁ると、これが売れ残っていたので早速、保護。


実録やくざ映画を謳った一本。
舞台は広島。
時代は大胆にも製作と同年の昭和51年。
おいおい、現在進行形の話を映画化したんかい!
それ、関係者が見たらヤバいんじゃないんかい!と思ったが、
実際には限りなくフィクショナルなエピソードで
ホッとするやら、がっかりするやら。

原爆ドームの屋根部分が窓にデカく見えるやくざ事務所(市民球場の前あたりですね)。
幼なじみの小林旭と松方弘樹は、それぞれ
大手暴力団組織の会長と総会屋に。
アキラの実妹・中島ゆたかと松方は内縁関係。
しかし立場上、敵味方に分かれてしまったアキラ&ヒロキは
お互い、タマの殺りあい。
今日も、関西のどこかにしか見えない広島の街は、
珍妙な東映京都風広島弁を使うやくざ達の鮮血で染められるのであった…。

ド派手なストライプスーツをビシっと着こなした
アキラ兄イが中島ゆたかに
「どうじゃ、ワシも黙っとったら立派な実業家に見えるじゃろ?」
という、吉本新喜劇ならそこら辺の人、全員が
「ズルッ!」とすべりそうな台詞を吐く事でも知られる本作。
三下やくざの一人は、カープの帽子を被って必要以上に
「広島」をアピール。
「コウヨウ工業」という、ヤバ過ぎる社名も出てくるぞ。
広島やくざのシノギも不景気で苦しくなっている、
という同時代の世相を反映した設定。
なんでもかんでも「不景気」で片付けられるのは、
昔も今も同じですね。
今や「相棒」で、警察署長にまで大出世した
マッドポリス80・片桐竜次の若き日の情けないチンピラ姿は必見。
渡辺岳夫による「原始少年リュウ」を思い出させる
リリカルなBGMもいい。
しかし肝心の内容はメロドラマ要素多めだが、抗争と
色恋、どちらにも焦点が絞れていないようで、不発。
全体に、隆盛を究めた後の実録やくざ映画の、祭りの後の
寂しさを見るようで、しょんぼりな内容でした。

追伸・ところで「人質」は誰だったの!?

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東映プログラムピクチャー | 22:45:40 | トラックバック(0) | コメント(0)
ヤクザvsマフィア
『ロード・オブ・サ・リング』3部作で世界的に注目され、
『ヒストリー・オブ・バイオレンス』、『イースタン・プロミス』
というクローネンバーグ監督ヤクザ2部作で文字通り
「ハリウッドのイイ顔」になったヴィゴ・モーテンセン兄イ。
そんな兄イの初主演作と思しき本作、
英語題『AMERICAN YAKUZA』だ。
製作は本邦が誇る「侠」の映画会社「三角マーク」のTOEI COMPANY!
兄イが大東映の身内とは知らなんだ。
今回はマイミク・Kさんにお借りしたレンタル落ちの
日本語吹替えビデオにて鑑賞。




オープニングは兄イの憂鬱なプリズンライフが描かれる。
やがて出所した兄イ。日系企業(?)の倉庫係として職に就くが、
ある日、やって来た日本YAKUZA・石橋凌の命を救った事で
五分のSAKAZUKIを交わす仲に。
日本流のGIRIやJINGIに触れ、NINKYOに目覚めていく兄イ。
しかし兄イは実はFBIのINUだった!
兄イとRYOのマーダーゲームの行方は…?

と、なんだか思いっきり作品をコケにしたようなあらすじ紹介で申し訳ないが、
この映画、小粒ながら意外なぐらいしっかりした作り(やっぱりコケにしてますね)。
監督以下スタッフ・キャストのほとんどはアメリカ人。
ちょっとエキゾチック趣味のハリウッド製B級ノワール、といった味わい。
モーテンセンのFBIの上司に『ジャッキーブラウン』の
ロバート・フォースター、敵のマフィアのボスに
『ヒドゥン』のマイケル・ヌーリーと、地味ながら手堅いキャストでいい感じだ。
ストーリーは早すぎた『フェイク』という気もするが、
東映だけに『やくざ対Gメン 囮』が元ネタなのかも知れない。
マフィアに組長以下、皆殺しにされ、
ヴィゴ&凌の殴りこみ、という展開も東映イズムで燃える!

普通、こういう日本ヤクザを扱ったアメリカ映画は、
間違ったヤクザ観・日本観でモンドな国辱映画になりがちだが、
さすがバックに東映が付いているだけあって、無茶な描写もあまり無い。
そういう楽しみを期待する向きには残念だろうが。
英語版は怪しげな日本語のオンパレード(純粋な日本人俳優は2人しか出てないし)
らしいが、吹替え版は声優の達者な演技でそういうお楽しみは無し。
ただし、興奮すると松方弘樹並みに声が裏返る凌兄イの声の熱演はナイス!

異文化のカルチャーギャップの表現として、
ヤクザのチンピラ達が車でバブルガム・ブラザースの
「WON'T BE LONG」のカセットテープ(時代ですね…)を
フルボリュームでかけて盛り上がり、
ヴィゴに「歌えよ!」と強要する、という、飲み会での
上司のパワハラみたいな場面もあり。
「やれやれ」という顔のヴィゴたんに萌え!









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東映プログラムピクチャー | 21:10:55 | トラックバック(0) | コメント(0)
サーキットの狼
直角コーナリング

今年一本目に観た映画は『サーキットの狼』のDVD。
東映製作の実写版。
スーパーカーブームの渦中に、ブームを巻き起こした原作マンガを
実写化したわけだから、東映としてもかなり力が入っていた事だろう。
監督は東映漫画実写化映画の狼・山口和彦(虎は鈴木則文)。
主役とヒロインは、公募で選ばれました、って感じの見知らぬ2人。
オープニング、子門正人の「んんんんうぅ~う~、ぅをぅをぅをぅをぅうぉをぅ~♪」
というシャウトが素晴らしすぎる。


レース場で、ロッテのアイスの売り子やってる主人公。
観戦していた実写版『ドカベン』の岩鬼率いる
中古アメ車暴走族(手下は町田政則ら、いつもの東映チンピラ役者達)に
絡まれるも、得意のバイクテクニックで切り抜ける。

主人公・吹雪裕矢の普段の生業は自動車修理工。
アイスの売り子は憧れのロータス・ヨーロッパ購入の
頭金を稼ぐためのバイトだったのだ。
やがて金も貯まり、ロータスをゲット。
その日から街道レーサーデビューする。

そんな裕矢の前に現れるライバル達は、コンドールマン
・少年ライダー隊隊長・大鉄人17のガンテツさんら
東映子供番組の人気者ばかり。
テレサ野田のバッタモンみたいなヒロインが現れりゃ、
「ほら、カッカしないで頭冷やして」と
ロッテ・クールミントガム渡され笑顔、
街道レース前日には、レーシングウェア着ながら
カプッチョをポリポリ、と
ロッテ製品大盤振る舞いだが、東映お得意の企業タイアップですね。

ストーリーは、原作数冊分をダイジェストにしたような
駆け足状態。
もちろん、東映テイストな浪花節風味にしっかりアレンジされている。

以下、ヨーロッパ製のスーパーカーメインだった敵は
安そうなアメ車マッスルカーになってたり、
原作ではファッションモデルだった裕矢の姉ちゃんが、
スナック(?)を経営する山内恵美子
死んでるのはアカレンジャー

(ええな…)だったり、
中島悟や高橋国光ら、有名どころレーサーが
ゲスト出演するたびデカデカと名前がスーパーインポーズ
されるが、その割にセリフも無くて隠し撮りみたいだったり、
原作者・池沢さとしの出演場面は、相変わらずの棒読みセリフが
素敵だったりと、いちいち東映風味で思わず「最高!」
言いたくなるウェルメイドな仕上がり。
同時上映は『トラック野郎』だったとか。
見終わった客の誰も
『サーキットの狼』のストーリーなんぞ覚えてないよな。

なんだか存在感の薄い主人公、どっかで見た顔だなあ、
吹雪真矢(誰?)

と思っていたが、鑑賞中に分かった。

この人に似てる!(笑)



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東映プログラムピクチャー | 20:36:41 | トラックバック(0) | コメント(0)
蟹工船
ミニシアターにて『蟹工船』鑑賞。

平日の昼間の上映。
ガラガラで、客は学生やワーキングプアの人ばかりだろう、
とタカをくくっていたら、結構な入りで
客層は年金貰ってそうな年配の方々ばかり。
リアル「蟹工船」は俺だけか!?
まあ、古い映画ですからねえ…。

今回はニュープリントでの上映、とのことだったが、
いざ上映が始まると傷だらけのフィルム。
ネガ自体が傷んでるからなんだろうか?

昔の邦画って、オープニングでゴジラが出てきそうだよなあ、
とかバカな事をぼんやり考えながら見ていたら、
本当に音楽・伊福部昭だった。
昭和28年製作のようだから、ゴジラより一年早い。

監督は俳優・山村聡。


山村聡といえば、総理大臣(ノストラダムスの大予言!)とか
社長とか、貫禄のあるソフトな人物役に定評がある様な気がするが、
自分にとっては何といっても「必殺仕掛人」の音羽屋の元締。
温厚そうな笑顔を浮かべながら、嘘の依頼で仕掛人を利用した
依頼人に「金はお返ししますよ」と巾着に入れた金を
首に巻いてやり、そのまま巾着の紐を絞め上げ、
「嘘つきめ!!」と絞め殺した荒業で印象に残る。
その凄みはどこから来たんだろう、と思っていたが、
自身の設立した独立プロでこういう映画を撮っていたのか。
本作は山村聡の深い深いダークサイドのその一部である。

出演者の顔ぶれ、出るわ出るわ後の演劇界の重鎮、
と言うより、各社のテレビや映画で老け役を演じ続けた
花沢徳衛や木田三千雄、それに浜村純などの若き日の姿。
『オール老け役大進撃』状態。
老け専にはたまらない事だろう。
浜村純など、後の姿とさほど変わらぬ老け顔なのに
「おい!そこの若いの!」などと呼びかけられるのだから
クラクラする。

普通、演劇人主導の独立系の映画なら、舞台の様な限られた
セットで展開する密室劇のようなイメージがあるが、本作は違う。
撮影監督に「天皇」こと宮島義勇、
撮影に後の東映大泉のベテラン・仲沢半次郎を配し、
立派なセットで撮影されたダイナミズムあふれる大作だ。
漁のシーンの大波など『Uボート』を思い起こさせる迫力。
そこで虐げられる労働者達の姿がじっくり描かれ、
伊福部節が盛り上げるものだから、
大魔神が来そうだったが、残念ながら魔神は来てくれなかった。
悲しすぎる。

冒頭に出てくる因業そうな人買いの親分の顔、
どこかで見たような、と考えていたが、
根本敬描くところの「村田さん」にそっくりである、
と気が付いた。
そう思って観てみると、映画のすべてが根本敬の世界のようだった。
不幸は突き抜けるとギャグになる、という事か。

ブームを受けて『蟹工船』も再映画化されるらしい。
監督は「ポップな蟹工船目指します」と言ってたらしいが、
この話のいったいどこに「ポップ」が割り込む余地があるんだろう?

とりあえず、当分缶詰は喰えないですね。




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映画 | 10:54:31 | トラックバック(0) | コメント(0)
バニシング・ポイント(イギリス公開版)
バニシング・ポイント [DVD]バニシング・ポイント [DVD]
(2007/08/25)
バリー・ニューマン

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「今、円高なんですってよ!」
という井戸端主婦並みの経済感覚で、
輸入DVD数点をついつい購入。
今夜はその中から『バニシング・ポイント』の米国盤DVDを視聴。

国内盤もとっくに買ってるこの映画。
「Includes both US and UK movie versions」
という一文に惹かれて買ってみた。
「バージョン違い」には弱いですな。

長年、語り継がれている事だが、
『バニシング・ポイント』には、
本編からカットされているシーンが2つあるという。
一つは、主人公コワルスキーのベトナム戦争従軍の回想。
もう一つは、シャーロット・ランプリング扮する
ヒッチハイカーとのやりとり、との事。
どうやらイギリス公開版には、ランプリングのシーンが
残っているらしい。

開封し、盤面を見てビックリ。
これは、日本にはあまりない両面ディスクだったのだ。
片面にアメリカ版、もう片面にはイギリス版という贅沢な仕様。
てっきり、映像特典でカットシーンが入っているものと
ばかり思っていたので、うれしい誤算だ。

このディスクには、もちろん日本語字幕は入っていない。
しかし、何度も観た映画なので、意味は分かるし、
セリフよりも、映像と音楽が雄弁に語る映画なので
字幕は必要ないと思う。

いつもビックリさせられるのは、この映画、観る度に
新しい発見がある事だ。
毎回、違った映画を観ているようだ。
特に今回は、字幕なしで画面に集中していたので、
いろいろと新しい発見があった。

冒頭、出演者のクレジットにランプリングの
名前があって(当たり前だが…)興奮。
これがまぎれもなく別バージョンである事を思い知らされる。
当時は既に人気が出た後だからなのか、ランプリングのクレジットは
主役のバリー・ニューマンの次だ。

説明不足で意味の分からない場面が多いのは
同時期の『2001年宇宙の旅』にも匹敵するが、
荒廃したアメリカ大陸を突っ走る
白いダッジ・チャレンジャーの美しさは、
ディスカバリー号を超えている、と個人的には思っている。
その他、この映画の魅力は語り尽くせない。
気になる人には「是非、観てね」としか言いようがない。

さて、問題のランプリングのシーン。
コワルスキーが偽パトサイレンで検問を突破し、
バイカーと別れた後の土曜の夜の場面。
ラストの日曜の朝に繋がる重要なはずのシーンである。
ヒッチハイカーであるランプリングと夜道で出会って
助手席に乗せ、一夜を共にするコワルスキー
(といっても具体的な描写は無く、暗示させるだけ)。
どうやらその時に、翌朝の運命を決めたようにも受け取れる。
このシーンがあるのと無いのでは、ラストの意味合いも
微妙に違ってくる気がする。

長年、日本版(アメリカ版と同一)を見慣れている者には
どうにも違和感を覚えるシーケンスだ。
劇中、終始、無欲で虚無なコワルスキーが「行きずりの関係」ってのは
なんだか妙な感じだ。
無口なコワルスキーも、そこだけは変に饒舌だし。

しかし、ランプリングは現実に生きている人間では
ないのかもしれない。
翌朝、コワルスキーが車から出てくる場面では
助手席に彼女の姿はないのだから。
この映画の他の登場人物同様、そこにいて、そこにいない、
拡大したコワルスキーの意識の中で、
一瞬だけすれ違った人なのかもしれない。

ミステリアスなストーリーの核心に近づいたようで、
また遠ざかったようでもある。
しかし、こんなに何度も楽しめる映画は、あまり無い。
またそのうち観てみようと思う。




テーマ:アメリカ映画 - ジャンル:映画

アクション | 09:27:07 | トラックバック(0) | コメント(0)
ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン!
ホット・ファズ~俺たちスーパーポリスメン!~ホット・ファズ~俺たちスーパーポリスメン!~
(2008/12/04)
サイモン・ペッグニック・フロスト

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署名運動により上映が決まったという
『ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン!』を
ミニシアターにて鑑賞。

この映画は、言うまでもなくコメディーだ。
しかしコメディーのわりに、劇場では笑い声がほとんど聞こえず。
コヤがオサレなミニシアターだからか?
「俺は、分かってるぜ!」的なクスクス笑いがここのしきたりなのか?
いや、単純にこの映画の笑いのセンスがずれているからだと思う。
ちょっと、辛い感じの展開が続く。

ずっとこんなかな、と思ってたら、
途中から某カルト映画みたいな展開になり、映画の流れがシフトチェンジ。
そこから、主人公は「西部警察」の渡哲也、というより
鼠先輩風のグラサン・バイオレントモード。
往年のポリスアクション風の派手なドンパチが続く。
なかなか痛快なのだが、やがて長すぎてダレて来る。
この内容には90分が妥当だと思う。
主人公の突然の性格の変化も、いくらコメディーとはいえ
気が狂っただけみたいにも感じられるし。

この監督の前作『ショーン・オブ・ザ・デッド』も
世評は高かったが、個人的にはあまりツボに入らなかった。
素材はいいけど、料理の仕方が好みでない、というか。
往年の名作へのリスペクトは感じられるが、
それならいっそオリジナルを超えて欲しい。
オールド刑事物オマージュなら、スパイク・ジョーンズの
これで十分。



この監督の次回作に期待したい。

出演者の中では、ティモシー・ダルトンが胡散臭くて良かった。
もう二度とジェームス・ボンドにはなれなそうだったが。




テーマ:アクション映画 - ジャンル:映画

アクション | 01:01:02 | トラックバック(0) | コメント(0)
ナイトメアー・ビフォア・クリスマス/ 3-D
ナイトメアー・ビフォア・クリスマス 2-Disc・コレクターズ・エディション(デジタル・リマスター版) (期間限定)ナイトメアー・ビフォア・クリスマス 2-Disc・コレクターズ・エディション(デジタル・リマスター版) (期間限定)
(2008/10/22)
ダニー・エルフマンクリス・サランドン

商品詳細を見る

『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス/ 3-D』を、
近所のシネコンにて鑑賞。

ポスターによると、通常版の公開から15周年なんだそうだ。
公開当時は、劇場へは行かなかった。
ビデオやDVDで散々、観たが、
一度、劇場で観たいと思っていたので、
良い機会だし、劇場へ。

入場前に渡されたのは、紙製の赤青メガネではなく、
プラスチック製の偏向メガネ。
「上映後にお返しください」との事。
土産にならなくて残念だ。

上映前の予告は立体映画が何本か。
こうしてみると、立体映画というのはコンスタントに
作られ続けているのだなあ。
特に観たいものは無かったが。

本編前のディズニーの3Dのロゴ。
ビックリ箱から飛び出たパンプキンヘッドが
本当に目の前まで飛び出てきてビックリ。

本編は、画面をフォトショップで切り抜いて、
アニメのマルチ撮影台で再撮影したような立体感。
立体映画としては正直、物足りないが、
シーン丸ごと3DCGで作り直されたりしていたら
それはそれで嫌だと思うので、こんな物かもしれない。
オリジナルに敬意を払った立体化、とも言えそうだ。
もともと立体的な『ナイトメアー~』には、立体映画が似合っている。

ストーリーはもちろん、オリジナル通り。
画面も、ほぼオリジナルと同じ。
雪のエフェクトが3Dでやり直してあって、
かなり飛び出して見えたのと、
エンドロールでキャラクターのデザイン画が合成してあった事ぐらいしか
違いに気づかなかった。
最初から立体メガネかけっぱなしなので、
途中でジャックが「さあ、みんな、メガネをかけてみよう!」
とかいう趣向も無かった。

実は、上映前に最も恐れていた事は、
吹替え版である本編が吹替えをやり直されていて、
聴き慣れた日本語版とキャストが変わっているのではないか、
という事。
しかし、ジャックは篠原涼子の旦那の声で歌い踊り、
町長はハクション大魔王の声で「オロローン!」とむせび泣く
いつものバージョン。
変なタレントの吹替えになって、イメージが壊れなくて良かった。
金、かけて無いだけなのかもしれないが。

この映画を観て一番、驚いた事。
それは、帰宅して向かったパソコンの液晶画面が
飛び出して見えたこと!
立体後遺症か?
だんだんと直ってはきたが。



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SF/ホラー | 09:06:04 | トラックバック(0) | コメント(0)
ウォリアーズ
ウォルター・ヒル監督、'79年の映画。

普段は争いあっているニューヨーク中の
ストリートギャング(正しくは『チーマー』かしら?)が
セントラルパークで大集会。
リーダー格の男が演説する。
「ここへ集まったのが**千人、地元へ帰れば仲間が
**万人、組織に属していない奴が**万人!
みんなで団結しよう!
この街を支配するのは俺達なんだ!」

まるっきりア○ウェイの勧誘みたいなアジテーションに
妙に老けた若者達は「ウオォォーッ!!」と大興奮。
しかし誰かの撃った凶弾でリーダーは射殺された。
主人公・ウォリア-ズの構成員のスワンは犯人を目撃するが、
逆に「犯人はウォリアーズだ!」とデマを飛ばされ、
ニューヨーク中のチームの連中に追われる事に。

ストーリーはウォリアーズ達が、追っ手を逃れて
地元のコニーアイランドに帰るまでの話。



なんともいかついタイトル。
オマケに監督は一時「ペキンパーの後継者」と目されたヒル。
大映ドラマの「ポニーテールはふり向かない」、「不良少女とよばれて」
みたいな不良ドラマをペキンパー風味で煮しめたようなコッテリ味、と
勝手にイメージしていたが、意外なぐらいの薄味アメリカンテイスト。
ウォリアーズ達は鉄の結束で結ばれている、とかではなくて、
寄り道もしたがるし女の子にも目が行く現実的な奴ら。
腕っぷしよりもトンチで切り抜ける場面、多数。
集会にも呼ばれなかった冴えないチームの縄張りでは、
「貫禄だなー!モテるんだろ?」とゴマをする。
すられた奴は間髪を入れず
「ぜんぜんモテねえよ!!」とヤケクソで即答。思わず爆笑。

お揃いのヤンキースのユニフォームに
顔面を赤や黄色にペイントしたチーム
「ベースボール・フューリーズ」。
ブンブンとバットを振り回す姿は鬼のようだが、
素手ゴロは意外なほど弱く、秒殺。

なんだかんだでコニーアイランドに帰り着き、
思ったとおりに真犯人に狙われ、危機に陥るも、
主人公のナイフ一発で一件落着のお気楽ぶり。
ウォルター・ヒルは今、何やってるんだろうね?



テーマ:アクション映画 - ジャンル:映画

アクション | 23:34:38 | トラックバック(0)
戦慄!呪われた夜
スカパー!FOX MOVIESにて視聴。
監督は『ハウリング2』、『同3』のフィリップ・モラ。
原題は『The beast within』 。

その昔、輸入ビデオで日本未公開の映画を観るのが
流行っていた時代があって(なんだか年寄りになった気分)、
当時『死霊のはらわた』、『クリープショー』、『ビデオドローム』
なんかと並んで要注目作だった映画。
その後、他の映画は劇場公開やビデオ化されたが、
本作のみは未公開、ビデオリリースもなし。
深夜にひっそりテレビ放送された事もあるらしいが未見
(邦題はその時の放送タイトル)。
と、いうわけで長年、気になっていた映画。


車で新婚旅行をしているカップルが、
沼地でタイヤをとられ、助けを求めるうち、
奥さんが正体不明の怪物に犯され、妊娠。

17年後、成長したマイク青年は原因不明の病で瀕死の状態。
「原因は遺伝病」と判断した両親は、マイクの父親の
手がかりを求め、その街へ。
マイクも何かに導かれるように車で同じ街へ。
そこでかつてその街で起きた忌まわしい事件に突き当たる。
そして、なぜか元気になったマイクは怪物化して暴れまわる。

情報というものはいい加減なものだ。
手持ちの「新映画宝庫・スプラッターカーニバル」という本には
「妻を犯したのは犬」と書いてあるが、
実際には人間。
姦通の罪で地下室に幽閉され、姦通相手の夫人や
埋葬されていた死人の死肉を喰わされていた
『恐怖奇形人間』みたいな人。
字幕の無い原語のビデオしか見ていないので
わからなかったのだろうか?

あと、昔、読んだ宇宙船には
「ラスト、怪物化したマイクが人々に殺されそうになり、
あわや、というところを養父が救い、親子仲良く家に帰る」と
書いてあった気がするんだが、
実際には養父に襲い掛かったマイクの頭を実母が
ショットガンでふっとばして終わり。
なぜだ!?
もしかして本編のバージョン違いがあるのか?

閉鎖的な田舎町を舞台にしたホラー映画は好きなんだが、
この映画はどうにもノレなかった。
登場人物は妙に少ないし、街の閉鎖性の描写が足りない。

マイクは犬ではなくて、セミをモチーフにした怪物になるのだが、
なぜセミなのか、の説得力がまるで無い。
長年、地下室に幽閉された我が身をセミの幼虫に
なぞらえてはいるのだが、だからといって息子が
セミの怪人になるのは飛躍しすぎ。
いきなり脱皮するので苦笑してしまうし。

トム・バーマンの特殊メイクは、フォームラバーの
皮膚の下で風船をピコピコ膨らます懐かしの80sスタイルだが、
作り物の出来自体より、撮り方が不味い。
画面にはっきり映しすぎ。
「せっかく金かけてメイクしたんだから、たくさん映せ!」
と、プロデューサーが注文つけたに違いない。

あと、夜になる度にわざわざ「第一夜」、「第二夜」と
ダサいテロップが入るのは
「メリハリが無くて時間経過がわからん!」と
プロデューサーが判断したせいか?
しかしこれは賢明な判断なのかも知れない。
この映画の一番の問題点は
監督フィリップ・モラの演出力なんだろうな。

と、まあ、長年、期待していた割には、いささか残念な出来栄え。
まあでも、こればっかりは観てみないと、なんとも言えないしね…。

テーマ:ホラー - ジャンル:映画

SF/ホラー | 00:25:28 | トラックバック(0)
宇宙人東京に現わる
今日、見た映画はチャンネルneco『宇宙人東京に現わる』。
この映画は、本邦初のカラーSF特撮映画である。
色彩指導をあの岡本太郎画伯が手がけている事でも
一部で有名な映画だ。
ついでに「太陽の塔」を髣髴させる、もみじ饅頭に
一つ目を付けたようなプリティな宇宙人のデザインも画伯が担当。
平成の世にグッズが大々的に販売されていないのは
甚だ残念な事である。

製作は、今は角川に吸収合併された大映。
主演は「本当ですか?山本さん!」、「そうなんですよ川崎さん!」
でおなじみ(…の、人の方が今や少数派ですね…)、川崎敬三。

仕事帰り、駅でバッタリ出会った天文学者と雑誌記者。
二人はそのまま小料理屋「宇宙軒」に繰り出す…、という
すばらしいセンスオブワンダーからストーリーは始まる。
最近、各地に現れるUFOは宇宙人の乗り物じゃないんですか?と
カマを掛ける記者。
科学者はいい加減な事は言えんよ、とかわす学者。

所変わってここはUFOの中。
宇宙の彼方から、原水爆の危険性について説きに来た
宇宙人・パイラ人。
しかし地球に現れた彼らは、そのプリティな容姿のせいで、
街中に現れただけでパニックを引き起こし、
その崇高な主張を地球人達に聞き入れてもらうことは出来なかった。
そこでパイラ人Aは
「地球人のべっぴんさんに化けて人前に出たら、
話を聞いてもらえるんじゃないんかのう?」
と、クレバーな提案。
そして、どこで手に入れたか、
日本の美人歌手のブロマイドを皆に披露。
とたんに
「こげないなげな顔になるのはイヤじゃ!」
「ほうじゃほうじゃ!こらえてつかあさい!」
と醜いなすり合い。
結局、言いだしっぺのパイラ人Aがその役を引き受けるのであった…。

お人よしのパイラ人達は、
地球人類に兵器開発を辞めさせるべく東奔西走。
しかし、地球よりはるかに高度な文明を持っている割には
間抜けでノープランな彼ら。
「♪つきが~でたで~た~」 と、温泉旅館で大合唱中の
慰安旅行のサラリーマンが、芸者さんにキスしようとして
嫌がられている現場に現れたり、池からヌッ!と現れて
釣り人の腰を抜かさせたり、のTPOをわきまえない大活躍。

山形勲が開発中の水爆以上の破壊力を持つ新爆弾を
「我々はそういう兵器は数世紀前にすべて破棄しました。
あなたも開発を止めなさい!」
と言っていたのが、
地球に巨大彗星が迫ってるのを知るや、
「すぐ作りなさい!」
あわてて作らせて彗星にブチ当てる始末。
行動のすべてが行き当たりばったりである。

映画のクライマックスは、防空頭巾を被り、列車の窓から
飛び降りて疎開する人々(終戦間もない頃ですからね)と、
引力の異常で洪水が起きた街(ミニチュア特撮)、
新爆弾を狙う東側のスパイにマニアックに縛られ、
青息吐息の山形勲の姿がカットバックで描かれる嫌な構成。
ラストは地球の危機を脱して青空がよみがえり、
巣穴に隠れていた動物達が現れる、という
『マーズ・アタック』そっくりな場面で終わる。
バートンはこの映画、見たのかな?

とまあ、SF映画としては少々、穴のある映画だが、
本編美術の金と時間の掛かりようには舌を巻かされた。
冒頭の小料理屋がある横丁など、
ステージの中にセットでキチンと作られ、
汚しまで入れてある凝り様。
やっぱり昔の映画の美術はすごい。
こういう、見える部分にちゃんと金の掛かっている
映画を見ることは眼福だ。
昨今の、小奇麗なばかりの昭和レトロ映画などは
こういう部分をしっかり見習って欲しいものだとあらためて思った。



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大映 | 23:18:30 | トラックバック(0) | コメント(0)
吸血怪獣ヒルゴンの猛襲


Amazonより、WHDジャパンの780円DVDシリーズ
『吸血怪獣ヒルゴンの猛襲』が到着。
本邦未公開、TV放映時に付けられた邦題が素敵な
本作だが、1959年アメリカ作品。
製作会社は「早い、安い、出来は微妙」なB級専門会社AIP。
かのB級映画の帝王ロジャー・コーマンが
エグゼクティブプロデューサーとして名を連ねる本作。
コーマン門下からはコッポラやモンテ・ヘルマンなどの
才人が多数、輩出されているが、
本作の監督はコーマン御大をして「あいつは駄目だ」
言わしめたというバーナード・L・コワルスキー。
もちろん『バニシング・ポイント』とは無関係である。

舞台はアメリカの田舎町。
酒場の経営者の浮気妻が間男と沼で逢引き(他に場所は無いのか?)
していると、ショットガン持った亭主が現れ…、と、
まるで週刊新潮の「黒い事件簿」みたいな修羅場にヒルゴン登場。
不倫カップルを沼の底に引きずり込む。
亭主は殺人の下手人としてシェリフにお縄にされるが、
恐怖のあまり、獄中で首吊り自殺。
この事件に挑む主人公は自然保護官。
しかし、小さな沼を一日中探し回っても何も見つけられない
どうにも間が抜けた奴だ。
そのうち、沼底には洞窟があるんじゃないの?という
思いつきのような推理でダイナマイトを爆破させると、
犠牲者達の死体がプカー、と浮いてきた。
ダイナマイトをものともしないヒルゴンに、
水中銃とナイフというお粗末な装備で巣穴を急襲する主人公。
62分の小品ゆえ、時間切れでーす、とばかりに
あっけなく倒されるヒルゴン。~完~

この780円シリーズDVDは画質に問題があるものが多いが、
本作もご多分に漏れず、傷だらけ。
モノクロ画面の本編は、森やら沼やら薄暗いシーンが多く、
何が映っているのか分からない場面多数。
しかし、そんな事もどうでもよくなるぐらい、
本編は投げやりでタルい展開。
1シーン1カットの場面が多いんだが、カットの最後は
その場にある小道具にパン&ズームして終わり、
というのがずっと続く。
だが、そのアップになるものが伏線や次の展開への
暗喩になっている訳ではないのでなんだか腰砕け。
1時間少々なのに緊張感が持続しないのでは
コーマンの怒りもごもっともです。

肝心の「ヒルゴン」は、デザインはともかく、
ぬいぐるみの出来が湿った寝袋みたいなのはなんともはや。
しかし、犠牲者をすぐには殺さず、巣穴に連れ込んで
生かしたまま血を吸いまくるのはかなり怖い。
そして、そんなぬいぐるみ丸出しなヒルゴンが
水中をトリックなしで必死で泳いでくるイメージはもっと怖い。
ぬいぐるみを通して演じる役者の執念が伝わってくるようだ。
子供の頃に観たらトラウマ必至だ。

ぬいぐるみのヒルゴンより、浮気妻の水中での水死体顔と
主人公の毛ガニみたいな胸毛がリアルな恐怖を感じさせた。
やはり作り物より現実のほうが怖いな、とつくづく思った。





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SF/ホラー | 02:26:17 | トラックバック(0) | コメント(0)
ランボー 最後の戦場
某氏より、「今、やってる『ランボー』、絶対、観た方がいいよ!」と
全力でプッシュされ、それならば、と、劇場にて鑑賞。

『ランボー』シリーズはテレビでしか観たことが無く、
1作目以外はさしたる思い入れも無い。
1作目は泣き事、言わせたら本邦声優No.1のささきいさおの
「ベェ~トナムではな~ん億もする武器を使えたがぁ~
今じゃ~駐車場の番もぉ~させてもらえなぁ~い!」

という涙声のシャウトにノックアウト(だから他の声優の場合はイマイチ)、
連行されるランボーの姿にスライの実弟が歌う
ベタな演歌みたいな歌が流れるラストには泣かされたものだ。
さて、本作は吉と出るか、凶と出るか。

近所のシネコンに行くと、モギリのお姉さんに
半ば強制的に席を決められ、座ってみたらその列は
アベック達から遠く離され、男一人で観に来ている客ばかりだった。
隣の男は「うま味紳士」そっくりで、ポップコーンの
デカいバレルを抱えてムシャムシャ喰いながら鑑賞していた。
軽く侘しい気分になった。

映画は、ミャンマー(原語じゃ「ビルマ」っつってますね)との
国境に程近いタイの田舎で、蛇取りのオヤジとして
世捨て人のように暮らすランボー氏が、
アメリカから来た純粋まっすぐ君なボランティア達を救う為、
「神に会うては神を斬り、仏に会うては仏を殺す」と
再び冥府魔道を歩みだす、という物語だった。

のっけから「これ、本当に21世紀の映画ですか!?」とわが目を疑う位の
東映三角マーク風のワイルドかつ、アナーキーな描写が炸裂!
爆弾で五体バラバラ(仕掛けたのは八名信夫?)、
豚に喰われる捕虜(内田朝雄ですね)、
少年を餌食にするホモの軍人(林彰太郎か汐路章かな)、
喉笛を素手で引きちぎるランボー(ソニー千葉!)、とか。

ラストの戦いはほとんど『ワイルドバンチ』!
機関銃で撃たれるとCGで血肉が飛び散って
さながらミンチ工場の様相を呈していた。
内容的にも、現代っ子(死語ですね)の傭兵部隊に
男の生き様を見せつけるランボー、と、ペキンパー風味が効いていたし。

ミャンマーのジャングルで(ロケ地はタイかな?)
飛んだり撥ねたりして元気なところをアピールするスライ。
ライバルのシュワちゃんが政界入りしてすっかり
米国版・横山ノックさんになったのとは対照的だ。
ラストのアクション、ランボーが末期『デスウィッシュ』のブロンソン並みに
動いてねえぞ!という意見もあったが、
監督も兼任してるんだし、仕方ないかもしれません。

普段、僕は映画の途中で飽きてくると「あと何分ぐらいかなあ?」と
時計を見るのだけど、今回は時計を見る事もなく、
あっという間に90分が終わった感じだった。
え、ストーリーが薄い?
これはストーリーを見る類の映画じゃありませんよ。
エンドロールが長い?
それは同感。タイ人の名前が多かったですね。

日本でも、オヤジが頑張るアクション映画をもっと作って欲しいなあ。
なんだか元気を貰えました。ありがとうスライ。



テーマ:アクション映画 - ジャンル:映画

アクション | 10:55:20 | トラックバック(0) | コメント(2)
ドリラー・キラー マンハッタンの連続猟奇殺人
先日、amazonにて『ファンタズム』のDVDを買うついでに
購入した780円の『ドリラー・キラー』を鑑賞。

長年、やる気の無いレンタル屋の「ホラー」の棚や
500円ワゴンのマストアイテムだった本作。
先端恐怖症だし、
レンタルでは凡百の『悪魔のいけにえ』亜流と
一緒くたに並べられているし、
で、なんとなく敬遠してきた。

「大音量で鑑賞してください」というテロップからスタート。
ゴミ溜めのようなニューヨークの街の汚いアパートでの、
画家の主人公のどこか淡々とした、静かで騒がしい日常生活。
・・・・・素晴らしいです!

ホラーというよりも、『追悼のざわめき』みたいな手触りの映画(個人的見解ですが)。
『タクシー・ドライバー』や『吐きだめの悪魔』も入っている。
主人公は完璧に狂ったサイコキラーなどではなく、
殺人シーン以外ではちょっと気難しい自称芸術家、程度に
描かれているのもいい。
画面の粒子のざらつきは、主人公の
ささくれ立った心象を表現している様にも見える。
どこかに「最後のニューシネマ」と書いていた人がいたが、
当たらずとも遠からず、と言った感じだ。

アパートの階上に「ルースターズ」というバカバンド(本邦同名バンドに非ず)が
越してきて、昼も夜も無くドンチャン騒ぎ。
ドリラー・キラー氏の怒りのドリルは
こいつらに向けられるのか、と、思いきや、あにはからんや
路上の罪も無いホームレス達に向けられる、という
矛盾は、「弱い者達が夕暮れ、さらに弱いものを叩く」
という青春番長な構図が感じられ、パンクって素敵ね♪

画商のオカマの親父を犠牲者とすべく「今晩、一人なんだ、来ないか」
と誘うと、親父が
「ちょっと時間かかるぞ。45分ぐらい…」
と答える「朝まで待てない(byモップス)」感覚は
パンクとGS世代の断絶をあらわしている、と
勝手に思い込む事にした。
はやる気持ちを抑え、
「ワインは赤と白、どっちがいい?」
必死に平静を装って訊ねる親父が気の毒だ。

『タクシー・ドライバー』でおなじみ
コップの水に入れると炭酸水になる錠剤が出ていた。
数年前に似たようなのが大塚食品から出てたけど、
もう、売ってないのかな?
なんか無性に飲みたくなったんだが。

テロップに偽りなし。いつか劇場で大音量で観たいものだ。

本来の本命盤であった『ファンタズム』、実は今までちゃんと観たことが無かった。
学生時代から周りのホラー好きに名場面をさんざん吹聴され続け、
二十数年ぶりにしてようやく視聴が叶った。
確かに面白いし、低予算で良く出来ているとは思ったが、
やはりこれは思春期にこそ観るべき映画だと思った。
そういう意味では、齢40を前にして『ドリラー・キラー』に
こんなにもハマってしまう俺の現状って、どうよ?





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SF/ホラー | 11:49:49 | トラックバック(0) | コメント(0)
無宿人御子神の丈吉・牙は引き裂いた
丈吉

北米版DVD『無宿人 御子神の丈吉』三部作の
1作目『同・牙は引き裂いた』を鑑賞。

製作は72年。
テレビ「市川崑劇場・木枯し紋次郎」の成功を見た
市川崑の古巣・東宝が
同じく笹沢佐保原作を大映の池広一夫を招聘して東京映画に作らせたもの。
池広監督は「紋次郎」も何本か撮っている。何でも撮るね。
主人公・丈吉に原田芳雄。いつもの(70年代の)芳雄さんだ。

元・渡世人だったが、足を洗って細工師として暮らす丈吉。
貧しいながらも妻子と幸せに暮らしていたが、仕事で遠くの街に
行く途中、かつて妻を巡って争った悪徳やくざ達に捕まってしまう。
落とし前として指2本落とされ、ようやく我が家へ帰ってみれば、
妻子は惨殺されていた。
黒幕は名高い国定忠治だと知った彼の復讐の旅が始まった。

その後、温泉宿を舞台に紋次郎ライクな展開が続くが、
そこで知り合った腕っ節の強い渡世人(峰岸徹)が実は
国定忠治だと知った丈吉。
悪人達の企みで刀を持たない丸腰で包囲され、
更に今までの展開は野呂圭介もビックリの壮大な「ドッキリ」であった事を
知らされ(そんなバカな!笑)、危機一髪。
しかし丈吉は秘技「猫ちゃんのツメ」で逆転。
そこへ前後のストーリーも破壊して都合よく現れる助っ人。
黒い三度笠に黒い合羽、おまけに黒いアイパッチ、
「超合金魂木枯し紋次郎・限定ブラックバージョン」みたいな中村敦夫だ。
2人の活躍で死屍累々、しかし忠治は逃げた。
幸薄ヒロイン松尾佳代の事はすっかり忘れ、
丈吉・ザ・リベンジャーの旅は続く。

愚直なぐらい「マンマ」な紋次郎のエピゴーネン。
丈吉が引きの画で杉の木をバックに山道をズンズン歩くところとかソックリ。
ラストに流れるイメージソングも「♪ど~こかで~ だ~れかが~」に
聴こえるし。
もちろん、つまらない訳ではない。
時代を反映して、血しぶき舞い散るマカロニウェスタン風。
殺された妻(子も)の復讐、主人公が負う肉体のハンディキャップ、と
モロに『ジャンゴ』。
アウトロー時代劇ファンなら必見だ。
同じ東京映画の『修羅雪姫』とも雰囲気が似てるなあ、と思ったが、
プロデューサーが同じで、スタッフ、キャストの一部も重複している。
国内盤未リリースなのは残念だ。

本編中、一番、印象的だったのは、
「丈吉のメインテーマ」みたいな曲が
「緊急指令10-4・10-10」のBGMと
同じメロディーでアレンジも同じだった事。
音楽は両方、渡辺岳夫さんだしね。偉大なるマンネリズムに乾杯だ!
そういえばこないだ見た『実録・私設銀座警察』の巻末の
『実録安藤組・襲撃篇』の予告のBGMは「シルバー仮面」の
流用でビックリしたっけ(音楽は両方、日暮雅信)。
まあ、どうせそんなの気になるのは俺ぐらいか…。



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東宝 | 18:09:50 | トラックバック(0) | コメント(0)
軍旗はためく下に
軍旗

またまた映像文化ライブラリーにて。
今回の上映は丹波哲郎追悼なんだそう。
しかし劇中でも既に丹波は死んでおり、
ニューギニア戦線で亡くなった丹波の死の真相を、
戦後、未亡人である左幸子が生き残りの戦友を訪ね歩いて
明らかにしていく、という構成。

『ゆきゆきて神軍』との類似性でも語られる本作。
想像通りの重いテーマを扱っているが、
決して重苦しいだけではなく、一時間半以上の尺を
飽きさせず見せきるのはさすが監督・深作欣二。
ラッキー7のコントまでが織り込まれ、それが
ちゃんとストーリーに関わっている。
娯楽性とテーマが巧みに同居している、と言うべきか。
コントの後、白塗りの顔で証言する関武志の
なんともいえないハードボイルドさにKO。

奇麗事では終わらせない実録の深作、
丹波と左、藤田弓子と小林稔侍の夜の生活までフォロー。
丹波の部隊の髭面の夏八木勲は南方戦線が似合いすぎだ。
子供の頃、見たNHKの「鳩子の海」を思い出した。
二谷昇の『地獄の謝肉祭』は強烈。

いつもはざわざわ騒がしい劇場内も、
今日は水を打ったように静かだった。
客の大半を占める戦争経験者には結構、キツかった事だろう。
『仁義なき戦い・エピソード1』だと言っても
良い様な実録戦争映画だった。





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東宝 | 17:21:16 | トラックバック(0) | コメント(0)
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